現役銀行員の銀行業務相談所

現役銀行マンが個人向けローンから事業融資、投資商品等の金融商品についてわかりやすく説明します。ご質問・アドバイスも承ります。

シェール革命で沸いたアメリカのシェールオイル業界は破綻寸前?

皆さんこんにちは。

以前の記事で、現在の原油価格が暴落している原因と、今後、世界の原油市場がどうなってしまうのかを考察しました。

詳しくは下記記事をご覧ください。

その中で、ロシアとサウジアラビアは、アメリカのシェールオイル関連企業にダメージを与えるまでは、原油価格の暴落を招いた原油の増産を止める可能性は低いと解説していましたが、それが現実味を帯びてきました。

今回は、今後のアメリカのシェールオイル業界がどうなっていくのか、考察したいと思います。

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アメリカのシェールオイル業界は虫の息?破産する企業が続発すれば世界恐慌の可能性も?

シェールオイルとは?

「シェール」(Shale)とは、頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石で、泥が固まってできたものです。

頁岩からなる層をシェール層といい、そこから採掘される天然ガス原油が「シェールガス」や「シェールオイル」と呼ばれます。

シェール層は、北アメリカや中国などに多く、特にアメリカのシェール層は、資源の宝庫だとシェール革命前から言われていました。

しかし、シェール層は地下2,000メートルより深く、掘削には高度な技術と莫大な費用が掛かるため、生産は現実的ではないと言われていました。

そこで、アメリカではシェール層の掘削を行うために技術革新を進め、ついに2006〜2008年には、安定的な生産が行えるようになった結果、世界最大のエネルギー輸入国から資源大国へと変貌を遂げたのです。

これをシェール革命と呼んでいます。

 

シェールオイル業界は苦境に立たされている

冒頭で述べた通り、アメリカのシェールオイル業界は、原油価格の大暴落により、大打撃を受けています。

この原油価格の大暴落は、ロシアとサウジアラビアアメリカから原油シェアを奪う事を目的として引き起こされていますので、アメリカのシェールオイル業界にさらに大きなダメージを与えるまで続く事が想定されています。

また、2020年4月2日には、上場企業であるアメリカの中堅シェールオイル関連業社「ホワイティング・ペトラリアム社」が連邦破産法11条(チャプター11)に基づく会社更生手続きを申請しました。

チャプター11は、日本で言う民事再生法ですので、抜本的な改革が行われれば、企業が再建される可能性もあります。

過去には、アメリカのユナイテッド航空チャプター11が適用され、見事に再生を果たしています。

しかし、今後もロシアやサウジアラビアからアメリカへの圧力が弱まらなければ、チャプター11を申請する企業は増加する事が想定されますし、連邦倒産法第7章(チャプター7)、つまり日本で言う破産法が適用されるようなシェールオイル関連企業が出てくる可能性もあります。

そうなれば、世界最大の産油国となったアメリカのシェールオイル業界は壊滅的な被害を受け、アメリカからの輸入に頼っている国では、オイルショックが起きる懸念もあります。

 

トランプ大統領はロシアとサウジアラビアに原産圧力

日本では認識が薄いと思いますが、アメリカでは、政府による民間への減産指示は、違法だという見方が根強く存在します。

つまり、トランプ政権はアメリカ国内の世論としては減産を認めることはできず、かと言って減産しなければ、ロシアやサウジアラビアからの圧力はますます強まる板挟み状態になっているのです。

そこで、経営支援策として浮上しているのが、アメリカへの輸入において、外国産の原油に課している関税を引き上げる策です。

事実上の脅しともいえる策ですが、特に強硬なロシアがどのような反応をするかは未知数です。

 

アメリカが初めてOPECプラスに参加する可能性

2016年12月に発足したOPECプラスの会合には、アメリカが参加したことはありません。

新型コロナウイルスの感染拡大により、原油の需要が減退している中、世界の3大産油国である方アメリカ、ロシア、サウジアラビアの間でうまく交渉が進めば、原油価格が回復し、アメリカのシェールオイル業界が救われる可能性があります。

逆に、このタイミングで3カ国の亀裂が大きくなれば、世界的な恐慌の引き金になる可能性もあります(詳しくは過去記事: リーマンショックの再来となるのはジャンク債(ハイイールド債)? で解説していますので、ご参照ください。)。

 

まとめ

アメリカとロシア、サウジアラビアの3大産油国の争いはまだ続きそうですが、早期解決がなされなければ、シェールオイル業界は壊滅的な被害を受けることになります。

その結果、オイルショックまたは、世界恐慌クラスの景気後退が起こる可能性もありますので、同国の首脳たちには解決に向けた対策を願うとともに、その動向を注視する必要があります。

 

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不動産投資はJAバンクの賃貸住宅ローンがオススメ!

皆さんこんにちは。

賃貸住宅への投資に関する貸し出しを行っている銀行は多数ありますが、今回はその中でもおすすめの金融機関である「JAバンク」について紹介していきたいと思います。

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JAバンクの賃貸住宅ローンがオススメの理由!

JAとは?

そもそもJA(農業協同組合)とは、農家を組合員として(農家以外は准組合員となります。)、その営農と生活をよりよくするために相互扶助の精神をもって運営されている組織です。

そして、JAバンクとは、組合員を中心として金融業務(JAでは信用事業と呼びます。)を行う金融機関です。

また、JAは協同組合ですので、信用金庫と同様、営利を追求する株式会社である市中の銀行とは異なる性質を持ちます。

簡単に言うと、利益を追求していないので、株式会社よりも顧客の利益をより優先しているといえます(建前上は、ですか…)。

ですので、JAバンクや信用金庫は経営が赤字にならない程度の低金利でローンを貸し出す事ができます。

 

JAバンクは貸出に力を入れている?

JAバンクは3年ごとに中期戦略を発表していますが、現在の計画(2019~2021年度)において、柱の1つとして、「貸出の強化」が明言されています。

その詳細として、農業資金だけでなく、幅広い顧客の生活資金も捉えていくことが記載されています。

その一環として、JAバンクは最近、テレビのCMで住宅ローンやマイカーローンの認知度向上に努めていますので、取引がない方でも名前を知っている方が増えているのではないでしょうか?

では、なぜマイナス金利により収益力の低下している貸出に、JAバンクが今更力を入れているのかと言うと、 JAの収益構造が他の金融機関とは違う事が原因です。

 

少し変わっているJAバンクの組織構造とビジネスモデル

【表1】JAバンクの組織構造

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出典: JA全中HP

JAバンクは一つの組織ではなく、上記の表のように、

市町村域【単位農協(JA◯◯)】

都道府県域【信用農業協同組合連合会(信連)】

全国域【農林中央金庫(農林中金)】

に分割され、それぞれが独立して事業を行っています。

マイナス金利が導入される前までのJAのビジネスモデルは、単位農協が個人の顧客から貯金を集め、住宅ローン等の貸付で運用しきれない分を預け金として信連に預け、信連はその貯金を利用して法人融資や有価証券の売買等で利益を出し、単位農協へその利益を還元していました。

また、信連でも運用しきれなかった預け金は、農林中金へ預けられ、農林中金は国内や先進国の債権を中心とした有価証券の売買で利益を出し、信連へ還元していました。

なお、農林中金でも運用しきれなかった場合は、日本銀行に預けることにより、預金利息を受け取っていました。

しかし、マイナス金利の導入で、単位農協が大量に集めた貯金を日本銀行に預けると、逆に利息を支払わなければいけなくなったため、農林中金は預け金に対する信連への還元を減らし、信連は単位農協への還元を減らさざるを得なくなりました。

それと同時に、農林中金・信連頼みになっていた、単位農協の貯金の運用を少しでも多くするために、貸付を強化する施策を打ち出しているのです。

 

JAの預貸率(貯貸率)は同業者に比べかなり低い

JAがどの程度、農林中金・信連に頼った事業運営を行っているかは預貸率(JAでは貯貸率)を見ると分かります。

【表2】JAバンクおよびメガバンクの預(貯)金残高及び預(貯)貸率(2019/3末時点)

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上記の表2の通り、JAバンクは全国的に見れば、貯金額103兆円(2019/3末)と国内でも有数の貯金残高を誇ります。

しかし、預貯金を貸出金で除算した預(貯)貸率はメガバンクに比べ、明らかに低い水準となっています。

預(貯)貸率が低いと言うことは、預貯金利子はたくさん支払って、貸出金利息は少ないということですので、売上を稼げていないということになります。

つまり、マイナス金利で運用難になっている金融業界の中でもJAバンクは一段と厳しい状況になっており、貸出金を伸ばすのに必死になっているのです。

 

なぜJAバンクの賃貸住宅ローンがオススメなのか?

上記で述べた通り、JAバンク非営利団体であるため、最大限の利益を求める風土がない上、マイナス金利の影響により、貸出金の増加が急務であることから、貸出を伸ばしやすい住宅ローンやマイカーローンを前面に押し出してPRしています。

しかし、スルガ銀行の不正融資問題により、下火になっていた不動産投資も問題の沈静化により、再び需要が伸び始めています。

JAバンクも例外ではなく、審査は厳格に行いながらも、事業計画が正確に作成され、その上で利益の出る物件であれば積極的な融資を行いたがっています。

特に、農地転用を伴うアパート等の投資物件であれば、これまで、農地の相続対策として賃貸住宅の建設に関わってきたJAバンクは他の金融機関にはないノウハウを蓄積しています。

また、住宅ローンよりも借入額が大きい不動産投資向けローンは貸出金増加に注力しているJAバンクとしては、喉から手が出るほど獲得したい案件であるため、金利が高くなりがちな不動産投資向けローンを低金利で借りる事ができる可能性があります。

 

まとめ

JAバンクの賃貸住宅ローンは、審査が緩いわけではありませんが、スルガ銀行の不正融資問題以降、不動産投資に消極的になっている他の銀行に比べ、融資に積極的なのは確かです。

また、蓄積してきたノウハウや融資の条件の良さも他の銀行よりJAバンクを選ぶ決めてになりうるはずです。

賃貸住宅への投資を考えているのであれば、条件の確認だけでもJAバンクに相談を行ってみてはいかがでしょうか?

 

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抵当権の登記留保とは?登録免許税の節約方法をご紹介!

皆さんこんにちは。

住宅ローンの借入に必要になる手続きの中に、「抵当権の設定」があります。

抵当権の設定とは、不動産(借入対象の住宅)を担保にすることを公的に記録するということなのですが、その設定方法の一つに「登記留保」という方法があります。

今回は、その登記留保について解説していきます。

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登録免許税を節約するには登記留保がお得!

登記とは?

登記留保の説明の前に、「登記」について解説をします。

登記とはなにかというと、不動産の情報(広さや所在地、所有者や担保の設定)を登記所の「帳簿(=登記簿)」に記録することです。

 

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出典: 法務省HP

上図は不動産登記簿の見本です。

登記簿謄本は、「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3つで構成されています。

表題部は土地の詳細が記録されています。

土地…所在、地番、地目(土地の現況)、地積(土地の面積)等

建物…所在、地番、家屋番号、構造,床面積等

がその主な内容です。
また、マンション等、所有権が区分される建物については敷地に関する権利(敷地権)記録されることもあります。

 

続いて、権利部(甲区)に記録されているのは、所有者に関する事項です。

具体的には、所有者は誰か、いつ、どんな原因(売買や相続等)で所有権を取得したかが記載されています。

 

そして、権利部(乙区)には、抵当権等の所有権以外の権利に関しての詳細が記録されています。

例を挙げると、抵当権や地上権、地役権等があります。

 

ですので、銀行が担保を設定すると、 権利部(乙区)に記録されることになります。

 

登記(担保設定)に必要な書類とは?

担保設定に必要な書類は以下の通りです。

①抵当権設定契約証書

②権利証(登記識別情報)

③印鑑証明書

④委任状(登記は司法書士が行うため、司法書士が必要とする書類)

場合によっては、住民票等その他の書類の提出がある可能性がありますが、上記が揃っていれば、登記はできます。

 

登記留保とは?

では、登記留保とは何なのかというと、金融機関と借主(債務者)が担保を設定する契約(抵当権設定契約)は結んでいても、登記を申請しないことを言います。

読んで字の如く、「登記」するのを「留保(待つ)」ということです。

登記留保の場合に銀行は、上記の登記に必要な書類自体はすべて借主(債務者)から徴求し、いつでも登記申請が可能な状態にしておきます。

つまり、「少しでも債権(貸出金)の返済に危険が及ぶのであれば、すぐに登記できるように準備しておく」ということです。

また、印鑑証明書には有効期限(発行日から3ヶ月以内)がありますので、有効期限を越えないように3ヶ月毎に最新ものを借主(債務者)からもらい直します。

銀行側からすれば、3ヶ月毎の期日管理をすることと、最新の書類を入手するための負担がありますので、通常は登記留保をしたがりません。

なぜなら、最新の書類が入手できなくなると、「いつでも登記ができる」という前提が崩れ、抵当権を第三者へ主張できなくなるため、債権の保全がされなくなるためです。

 

銀行が登記留保を認めるパターン

では、なぜ銀行は手間のかかる登記留保を認めているのかというと、住宅ローンの場合には、登記留保を行うことによって「登録免許税の軽減」を借主が受けることができるためです。

 

登録免許税の減税とは?

登録免許税とは、上記のような抵当権の登記や注文住宅を購入した場合(所有権保存登記)や土地や分譲住宅・中古住宅を購入した場合(所有権移転登記)の手続きの際に納める国税です。

所有権保存登記や所有権移転登記の詳細は、下記の記事で解説しています。

登録免許税は物件の評価に対して、収める割合が定められています。

また、一定の要件を満たせば、軽減措置を受けることができます。

それらをまとめると下記の表のようになります。

【登記別の登録免許税率および軽減税率】

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※長期優良住宅かつ認定低炭素住宅

※2長期優良住宅のみ

登録免許税の軽減措置を受けるための要件とは?

登録免許税の軽減措置は、令和2年の税制改正により令和4年まで軽減措置は延長になりましたが、受けるための要件は変更はありませんでした。

では、軽減措置を受けるために必要な要件を確認してみると、下記のようになります。

 

抵当権設定登記

下記の要件を満たした新築住宅または中古住宅を購入するための借入金

 

新築住宅(保存登記)

・登記簿上の床面積が50㎡以上の住宅

・新築または取得後1年以内に登記を行う

・自分が居住するための住宅

・住宅専用家屋または住宅部分の床面積が9割以上の併用住宅

 

土地(移転登記)

特段ありません。

 

中古住宅(移転登記)

・築後20年(耐火建築物は25年)以内、または平成21年4月1日以降に取得する地震に対する安全上必要な構造・技術水準等に適合する一定の中古住宅

・登記簿上の床面積が50㎡以上の住宅

・取得後1年以内に登記を行うこと

・自分が居住するための住宅

・住宅専用家屋または住宅部分の床面積が9割以上の併用住宅

 

登記留保で節約できる登録免許税は抵当権設定登記だけ

上記の登録免許税の軽減のうち、抵当権設定登記以外の軽減措置は、登記留保をしなくても要件を満たしていれば軽減がなされます。

しかし、抵当権設定登記は、税額の計算が借入額×税率なのに対し、軽減の要件が「新築住宅または中古住宅」と定められています。

つまり、土地を先に購入してそこに住宅を建てる場合、登記留保を行わないと、先に土地の抵当権を登記されてしまいますので、土地の借入金額分は軽減措置の対象とすることができなくなってしまいます。

 

まとめ

登記留保を行うことで登録免許税を節約することができます。

登記留保は、ほとんどの金融機関で行っていますのが、進めてくる金融機関は多くないと思いますので、住宅ローンを組む際には、登記留保が可能かどうか確認するようにしましょう。

 

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DSCRやLTVとは?賃貸住宅の事業計画でストレスをかける基準!

皆さんこんにちは。

以前、賃貸住宅(不動産投資)向けのローン審査を通すための方法として、正確な事業計画の立て方について解説しました。

詳しくは下記の記事を参照ください。

今回は、事業計画で算出することができ、収益性の確認に必須となる指標(数値)について解説していきます。

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アパートローンの返済に困らないためには?DSCRを理解しよう!

DSCRとは?

アパート投資を考えている方が、実際に不動産などの投資向け商品を購入する際には、アパートローンや賃貸住宅ローン等の金融機関借入を利用する方法がほとんどです。

投資家の中には、借入に対するリスク意識が低い方がよくいますが、「借入を行う」ということは、どんなに好条件の投資用不動産でも、返済が滞り、破産に追い込まれるリスクがあるということです。

では、そのリスクまたは投資物件の安全性はどのように確認できるのかというと、「DSCR」という指標が役に立ちます。

 

DSCRは日本語では「元利金返済余裕率」と訳され、その正式名称は「Debt Service Coverage Ratio」(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)といいます。

どのような指標かというと「不動産から得られる家賃収入から必要経費を引いた利益が、借入金の返済をどの程度賄うことができるか」を示しています。

さらに平たくいうと、「アパートの儲けで毎月どのくらい返済できるか」ということです。

なお、ほとんどの金融機関では、投資物件に借入金の返済能力があるかどうか(安全性)を確認するために、審査時にはDSCRをチェックします。

 

DSCRの算出方法

DSCRは、全返済期間の全ての年で確認が必要になります。

ですので、借入期間が20年であれば、20年分のDSCRを計算しなければなりません。

そして、その算出方法は

DSCR = 「年間NOI(正味稼働利益) ÷ 年間返済元利金」

という式によって算出されます。

例えば、年間NOI(正味稼働利益)が1,000万円の投資物件に対し、年間の元利金返済額が800万円だった場合のDSCRは、1000万円 ÷ 800万円という計算により、1.25となります。

DSCRの数値は、大きければ大きいほど返済に余裕があるとされ、金融機関からの評価は上がります。

金融機関によって基準は違いますが、最低でも1.0を超えていなければ融資を受けることは難しいでしょう。

また、金融機関の審査上で優良案件としてみなされるには、DSCRは1.5以上が必要になります。

 

DSCRによるローン借入額の検討方法

金融機関がDSCRを重視して、審査を行なっているのはわかりました。

では、借主(債務者)側にとっては、算出したDSCRをどう利用できるかというと、ローンの借入金額を検討する目安にすることができます。

上記の例で、DSCRは1.25でしたが、この場合、金利上昇等によりローン返済元利金が1.25倍になったとき」に投資物件の利益だけではローンの返済が不可能になります。

ですので、将来の金利上昇が1.25倍以上になりそうであれば、借入金額の減額を検討すべきでしょう。

 

NOIの算出方法

上記で DSCRの算出に使用したNOIとは、いわゆる「営業純利益」のことです。

その算出方法は

NOI = 物件収入 – (空室家賃 + 水道光熱費+固定資産税等の税金 + 管理費 + 火災保険料等)

です。

なお、NOIの計算においては、投資する建物の減価償却費や修繕費、ローンの支払利息等は、支出として扱いませんので注意が必要です。

 

DSCRと並ぶ重要な指標であるLTV

LTVとは、投資物件の評価額に対するローン等の借入金の割合を示した数値です。

和訳すると「総資産有利子負債比率」とされ、正式名称は「Loan to Value(ローン・トゥー・バリュー)」です。

つまり、

LTV = 借入金額÷ 物件の評価額

の算式で導かれます。

例を挙げると、評価額が5,000万円のアパートに対して、3,000万円のローンを組んだ場合には、「LTV」は60%です。
そして、金融機関が不動産投資向けのローンを審査する際には、DSCRと同じくらいこの「LTV」を重視します。

なぜかというと、いざ投資物件が想定よりも収益が上がらず、返済が滞った際に、金融機関が貸出金を回収するには、担保にとっている投資物件を売却しなければならないからです。

そして、往々にして担保物件は公的な評価額では売却できず、評価額×70%程度の価値しかありません。

ですのでLTVが極端に高すぎる場合は、担保価値不足となり、満額での審査が通らない可能性があります。

 

投資を成功させるためのDSCRやLTVの活用方法とは

投資物件を紹介してくる不動産会社や建設会社もDSCRを用いて、いかに利回りが高い物件かを説明してきます。

しかし、その説明を鵜呑みにしてしまってはいけません。

なぜかというと、一般的なDSCRの算出には、NOI(正味稼働利益)を用いて計算しますが、不動産会社や建設会社は、より優良物件に見せるために、NOIではなく物件が満室稼働であるとみなした「満室想定NOI」を用いて計算している場合があるからです。

満室想定NOIによりDSCRを算出すると、空室が発生した場合のリスクが計画に含まれていませんので、実際に運用すると事業計画に比べ、必ず利回りは悪化します。

ですので、購入を検討している物件で、満室想定NOIによりDSCRが算出されていた場合は、空室のリスクを勘案したNOIを使ってDSCRを計算し直しましょう。

 

満室想定NOIを用いたDSCRの算出方法は以下の通りです。

DSCR = 「年間満室想定NOI(想定正味稼働利益) ÷ 年間元利金返済額」

例を挙げると、投資物件において満室時の年間NOIが1000万円の物件を購入し、年間元利金返済額が800万円の場合のDSCRは、1000万円 ÷ 800万円 = 1.25です。

しかし、上記はあくまでも満室時のDSCRです。

不動産投資において、常に満室の物件は存在しないと言っても過言ではありませんので、満室時のDSCRを算出しても何の意味もありません。

また、金融機関ではDSCRの算出を行う際にはある程度の「ストレス」をかけます。

金融機関のストレスのかけ方は、①賃料収入の減少ストレス、②空室率のストレスの2パターンがあります。

例を挙げると、上記物件(満室時の年間NOIが1000万円)で、当初5年間は満室、その後は20%が空室になると設定した場合、5年後の年間NOIは800万円まで減少します。

この場合のDSCRは、800万円 ÷ 800万円 = 1.0となり、純利益だけで返済が可能となるギリギリのラインとなります。

つまり、

①満室想定NOIのDSCR = 1000万円 ÷ 800万円 = 1.25 

②5年後に20%が空室の場合の年間NOIのDSCR = 800万円 ÷ 800万円 = 1.0
さらに、そこに賃料減少ストレスがかかり、売上が減少すれば、DSCRは1.0を下回り、赤字物件となってしまいます。

つまり、物件への投資を自分で判断する場合、理想的なのは、投資金額に対するロ-ンの借入金額の割合を調整し、高水準のDSCRを確保することです。

そして、その前提条件として現実的な水準のNOIを導き出すことが必要になります。

また、LTVを低く抑えることにより、DSCRを高めることができます。

LTVを低くするためには、自己資金が必要になりますが、借入額を抑えることで返済負担が軽減するため、DSCRを高くすることができます。

 

まとめ

不動産投資は、あくまでも投資であり、100%安全な運用方法ではありません。

ですので、予期せぬリスクが発生することも多々あります。

そのようなリスクに備えて、事業計画の策定段階では、正確なDSCRやLTVの算出、そして、現実性の高い堅実な計画の策定を行うように心がけましょう。

 

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コロナショックはリーマンショックとどう違う?その危険な理由は?

皆さんこんにちは。

連日、新型コロナウイルスの報道が続いていますが、その中で新型コロナウイルスによる経済的な打撃(以下、コロナショックとします。)とリーマンショックは全く違うものだという政府の見解がありました。

今回は、コロナショックとリーマンショックがどう違うのか、また、どちらの方が経済への影響力が強いのか、その理由を考察していきたいと思います。

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コロナショックはリーマンショックを超える金融危機を引き起こす?

コロナショックとリーマンショックの違い

結論から話すと、コロナショックとリーマンショックの違いは、実体経済に影響が出たのが先か市場に影響が出たのが先かという違いです。

2008年9月に起きたリーマンショックは、世界中の金融機関が大量に保有していたCDO(債務担保証券)の市場が崩壊したため、自己資本が毀損したことが原因でした。

しかし、今回の新型コロナウイルスによる経済の急減速は、人々が自宅に留まり消費が激減したため、企業のキャッシュフローや家計の収入が同時多発的に減少したことが原因です。

つまり、リーマンショックは市場に起きた打撃が経済に影響を及ぼしたのに対し、新型コロナウイルスによる経済的な打撃は先に実体経済に現れ、その後市場を直撃し、主要株価が大暴落したという違いです。

リーマンショックの時は経済対策は雇用を守り所得を保つことが出来た

リーマンショックの際は発端となったアメリカの金融業界にTARPと呼ばれた資本注入等の対応策がとられ、金融機能の崩壊を防ぎました。

TARPとは、(TARP: Troubled Assets Relief Program)の略称であり、日本語では「不良資産救済プログラム」と訳されます。

その具体的な内容は、大手金融機関への1250億ドルの公的資本注入でした。

そして、TARPにより金融業界が持ち直すと、企業や家計のバランスシートを修復するために、貯蓄を増やすことを奨励し、それにより発生した民間の資金余剰を政府が財政出動で借り入れて使い続けることでGDPを維持する必要がありました。

実際、企業の内部留保は、過去最高水準まで高まっています。

これは、マクロ的にみるとCDOバブルの崩壊により、民間の企業や個人がバランスシート修復のために一斉に貯蓄や借金の返済を増やした分を政府が借りることによりGDPを維持し、GDPが維持されたために民間の企業や個人がバランスシート修復のための借金を返済し続けることができる水準の収入を確保できたのです。

 

コロナショックの経済対策は雇用を守るのが困難

しかし、コロナショックの際は、企業や家計の収入が減少したことによりGDPが減少していますので、そもそもGDPを維持することが出来ません。

ですので、政府はどうにかして消費を増やそうと、リーマンショック時よりも多くの現金給付を検討してるのです。

また、企業の倒産を防ぐためにも、無担保・無利子の貸付や所得税の納税猶予を行うことで、資金繰りを助ける必要があります。

現在、政府に行って欲しい(一部は現実化してますが…)対応について、詳しくは下記記事をご覧ください。

また、政府系金融機関だけでなく、民間の金融機関の貸付も政府が保証することにより、即効性を持たせることも一つの方法だと思います。

しかし、貸し付けを行うだけでは資金繰りは楽になっても、返済は行う必要がありますので、今まで企業が貯め続けてきた内部留保は減少していきます。

ある意味、今までマスコミや経済学者に批判され続けてきた、バブル崩壊以降の数十年分の内部留保が役に立つ時が来たということです。

 

各国の金融市場はバランスシート不況とは異なる状況に

上記のような原因で不況に陥った場合、各国の金融市場はバランスシート不況とは全く異なる局面に入ったことを意味します。

それはどういうことかというと、今までは自己資本(内部留保)を積み上げてきた企業は今後、金融機関から借り入れを行わなければ内部留保を切り崩さなければならないため、借入を増加させるようになります。

つまり、日米欧の金融機関が苦しんでいた預金>貸出の状況から預金<貸出に変化しかねません。

そして、今後は資金繰りに余裕がある企業とない企業では、貸出金利の差が顕著になる可能性が高いです。

また、ウイルスの封じ込めに時間がかかるようであれば、企業の資金繰りがさらに悪化し、金利が上昇する懸念もあります(一般的には、景気が悪くなれば金利も下がるのが大切ですが)。

つまり、本来は不況であれば企業は借入を控えるため金利は下がりますが、今回のコロナショックでは、金融市場のタイト化(金融市場に存在するお金が減少すること)により、その逆の事態が起こりかねないということです。

 

企業の資金調達が市中銀行社債の発行かが重要になる

また、企業の資金調達の方法が市中銀行からの借入であれば、返済が滞った時に銀行と相談することで、返済をリスケジュールしてもらえる可能性があります。

本来であれば不良債権としなければならないような債権を不良債権として扱わないことで、銀行の負担を減らすこと※も一つの手です。

※本来であれば、銀行は返済が困難になった貸付先への債権を「格付」して「貸倒引当金」、つまり損失を計上しなければなりません。

しかし、資金調達を社債の発行で行なっていた場合は、社債の購入者に返済しなければならず、資金繰りが逼迫します。

つまり、企業の債務の債権者が誰なのかも今後は重要になります。

 

まとめ

コロナショックはリーマンショックと違い、実体経済に先に影響が出ていることから、政府や中央銀行が取ることのできる対策が限られてきます。

しかし、影響が長期化したリーマンショックに比べ、コロナショックは特効薬が開発されるまでの短期間の不況になる可能性がありますので、悲観しすぎる必要もないと思います。

 

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原油価格の大暴落はいつまで続く?株価の大暴落に繋がる可能性も

皆さんこんにちは。

ただでさえコロナウイルスの感染拡大による影響で世界中の株価がダメージを受ける中、2020年3月9日に起きた原油価格の急落で、世界中の株価は大暴落しました。

今回は、なぜ原油価格が下がったのか、そしてなぜ株価にも影響が出ているのかを解説し、その上で、今後の世界経済にはどのような影響が出てくるのか考察していきます。

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原油価格の急落で金融危機が起きる?オイルショックの可能性について考察

なぜ原油価格は下がったのか

まず、原油価格はどのように決まるのかというと、アメリカ産原油の市場であるのウエスト・テキサス・インターメディエイト(WTI)の相場に連動して世界の原油価格も変動するとされています。

また、2010年からはロンドン市場のインターコンチネンタル取引所(ICE)の価格も世界中の原油価格に影響を与える指標価格となってます。

市場機能が働いて値段が決まるということは、需要が多ければ値段が上がり、供給過多だと値段が下がるということです。

それを踏まえて今回の原油価格の急落を検証してみると、2020年3月6日に開催された石油輸出国機構OPEC)とOPEC非加盟産油国が構成する「OPECプラス」でロシアやサウジアラビア等の主要産油国の協議が決裂したことにより、これまで供給を抑えて価格を維持していた両国が、安価に大量の原油を供給し始めたのが原因であることが分かります。

実際に、WTI原油先物価格は年初に1バレル60ドルほどでしたが、上記の競技決裂を受け、一時は20ドルを割り込む展開となりました。

 

なぜOPECプラスの交渉は決裂したのか

今回の交渉が決裂したのは、ロシアとアメリカの関係悪化が原因と言われています。

ロシアはこれまでOPECとの合意に基づいて原油の減産を続けてきましたが、その減産分をアメリカのシェールオイル業社が穴埋めしてしまっていたため、ロシアが期待していたほどの価格維持効果を上げられなかったことに強い不満を抱いていました。

そこでロシアが考えたのが、ロシア産原油の価格を下げてシェアを拡大し、その過程でアメリカのシェールオイル産業にダメージを与えて価格決定の主導権を取り戻すという戦略でした。

しかし、OPECプラスの減産合意が決裂すると、ロシアと同様に、原油シェアを拡大したい意図を持つサウジアラビアが価格攻勢に出てしまいました。

このロシアとサウジアラビアのシェア拡大を図るために起こした行動が今回の価格急落を引き起こしたのです。

 

なぜ原油価格が急落すると株価も大暴落するのか?

一見、原油価格が下がれば、企業の燃料費が削減されることで業績が上向いたり、ガソリン・ガスの価格が下がることで家計に恩恵がでたりするため、経済的には景気拡大効果があるように思えます。

では、なぜ世界の株価は大暴落してしまったのかというと、シェールオイルの増産によりアメリカが世界最大の産油国になってしまったことと、それに伴い、9,000社まで増加したと言われているアメリカの石油関連企業の財務内容が原油価格の下落を受けて大幅に悪化する懸念があるからです。

その懸念とは、過去の記事でリーマンショック級の経済危機を引き起こす可能性があると解説したジャンク債(ハイイールド債)が関係しています(ジャンク債の詳細は下記の記事をご覧ください。)。

実は、このジャンク債のかなりの部分が、アメリカのシェールオイル関連企業が発行したものと言われています。

ですので、原油価格が下がることにより、その企業の業績が圧迫され、連鎖的に倒産するようなことが起これば、その企業の債権を購入した企業(特に金融機関が多いです。)も大打撃を受けますので、リーマンショック級の金融危機の引き金を引くことになりかねない</span >のです。

 

しばらく原油価格は下げ止まらない

このようなロシアとサウジアラビアの対立は、短期的には両国にマイナスな効果をもたらしますが、どちらの国もその根底にあるのは、アメリカのシェールオイル産業にダメージを与えたいという考えです。

ですので、上記で述べたジャンク債市場において、アメリカのシェールオイル関連企業に実際にダメージが出ていることを確認できるまで今のような状態が続くことが考えられます。

一方、アメリカのシェールオイル業界も黙って見ているわけではなく、このような事態に備えて、体力を強化してきた背景があるため、ロシア・サウジアラビアアメリカの我慢比べになる可能性が高いと思われます。

 

まとめ

原油価格の低迷は今後しばらくは続くことが想定されます。

一個人としては、ガソリンやガスの価格が下がりますので、喜ばしいことなのですが、世界経済に目を向けると、金融危機の引き金を引きかねない重大な事件に発展しています。

原油関連の主要産油国同士の調整は、巨大な利権が絡むことですので、解決するには時間がかかると思われますが、その動向は注視する必要があります。

 

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コロナウイルスによるリストラを防がなければ日本経済は崩壊する?

皆さんこんにちは。

毎日新型コロナウイルス関連のニュースばかりで気が滅入ってきそうです。

今後は、新型コロナウイルスにより、倒産が増加する等経済への打撃が本格化することが見込まれます。

今回は今後の日本経済を守るためにどのような対策が取られる可能性があるのか考察していきたいと思います。

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日本経済を守るために必要な政策はリストラ対策?

雇用の確保と資金の流動性が喫緊の課題

コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々なイベントや観光が制限されているため、企業の売上や個人事業主フリーランスなどの収入は激減しています。

そして、業績の悪化に伴い、倒産する企業も増加傾向にあります。

日本政府は倒産を防ぐために、日本政策金融公庫を通した緊急融資や、既存借入の円滑化を行う等の対策をとっていますが、あくまでも「融資」や「返済の猶予」ですので、どれも倒産を先送りにしているだけで、全く救済措置になっていません(下記の記事で触れたとおりです)。

 

 

では、このコロナウイルスに端を発した、企業への悪影響を最小限にするためには、どのような政策が必要なのでしょうか?

それは、上記の緊急融資や円滑化に合わせて大規模な助成金の交付、または納税猶予を行うことにより、倒産を防ぎ雇用を守ることです。

雇用を守ることができれば、消費は大幅に落ち込まないため、コロナウイルス蔓延による現在の経済活動の停滞が終結した時に大規模な不況になることはないからです。

実際に、アメリカは33兆円もの大規模な納税の猶予措置を決定しています。

また、助成金の交付は非常にわかりやすい倒産防止対策なので、納税猶予について深掘りしていきます。

 

現在の日本政府の対応では不十分

現在国税庁からは、(一応)国税の納税猶予が発表されています。

しかし、この納税猶予はあくまでもコロナウイルスにより影響を受けた場合に限られ、審査も厳格なものになることが想定されます。

これでは対策としては全く不十分であり、無審査・無条件の納税猶予を行わなければ、十分な効果は発揮されないと思います。

国税庁の案内はこちらを参照: 新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ

なお、これに呼応する形で、地方自治体も地方税の納税猶予を開始していますので、詳細については、お住まいの県や市町に問い合わせて詳細をご確認ください。

 

個人向けの延納措置も行うべき

現在は、国民一人一人に1万2千円を一律給付する方向で政府は調整していると報じられています。

また、消費税を期間限定で減税する措置も検討されたようですが、政府は減税に慎重な姿勢を崩していません。

個人的には、1万2千円程度の給付では、消費マインドは上向かないと思いますし、消費税の減税は最も効果的そうに思えますが、実現する可能性が低そうです。

では、個人向けの税制的な緊急措置としてはどのような対応が考えられるかというと、所得税の納税を延期して、企業に源泉徴収前の給与を従業員に支払わせることが考えられます。

仮に1年間の所得税が猶予されれば、年収500万円のサラリーマンの場合、約20万円が給付されるのと同じ効果がありますので、少額の現金給付などとは比べものになりません。(ただし、延納なので後々収める必要はありますが。)。

それ以外にも健康保険料などの社会保険の支払いを延期することも一つの手だと思います。

上記の施策は今までに取られたことのない措置ですが、それによって連鎖倒産を食い止め、危機的な事態を乗り切るためには必要な措置だと思われます。

 

何よりも必要なのは雇用の確保

新型コロナの影響で東京オリンピックの延期が決定しましたが、今後も引き続き、新型コロナは日本経済には悪影響を及ぼすことが懸念されます。

特に、オリンピックを予定して売上や資金繰りの計画を立てていた企業にとっては、予定していた収入が得られなくなり、倒産してしまう可能性すらあります。

そして、このような状況で最も怖い事態は、連鎖倒産が起きる可能性があることです。

特に、中小零細企業個人事業主は、大企業との大口取引に支えられている企業が多く、このような不況に弱い側面があります。

たとえば、突然大口の取引先が破綻したり、大口の取引が打ち切られたりした場合、債権が回収できなくなったり、売上が立たなくなったりしますので、結果として倒産する可能性が高まります。

さらに、その企業が倒産すれば、その企業と取引を行っていた企業に連鎖的に影響が出て、連鎖倒産に繋がるかもしれません。

 

企業が倒産すれば失業者が増加する

サラリーマンの中には、上記のような話は、個人事業主フリーランスの人にしか関係がないと思っている方もいると思います。

しかし、上記のようなスキームで会社が倒産したり、業績が悪化した場合、当然失業やリストラが起きます。

そして、給料が貰えなくなれば、資金が市場で回らなくなり、経済が停止してしまいます。

そうなってしまえば、日本経済は当面立ち直れず、不況への道を歩むしかなくなります。

ですので、政府や日銀が全力をあげるべきなのは、消費活動を止めないためにも、企業の倒産を阻止すること、そして雇用の確保に努めることしかありません。

 

まとめ

国民への現金給付や納税の猶予だけでは、新型コロナウイルスによる企業へのダメージを完全に回復させる効果はありませんが、即効性のあるカンフル剤にはなり得ます。

一方、経済的に困窮している家庭へと援助や、新型コロナウイルスによりダメージを受けた企業の救済措置等も検討する必要があります。

日本政府には、ロングスパンで経済を回復するための施策については、しっかりと考えて打ち出して欲しいと思いますが、即効性のある施策は迅速に対応するべきです。

 

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日本銀行は日経平均株価の大暴落で債務超過になるのか。

皆さんこんにちは。

新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こしたコロナショックにより、日経平均株価は連日下落が続いています。

この株価の大暴落により、日本銀行(以下、日銀と言います。)の財務内容が毀損しているのではないか、と過去(下記)の記事で記載しました。

今回は、そんな日銀の財務内容や債務超過になる可能性があるのかどうか、考察をしていきたいと思います。

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日本銀行債務超過寸前?さらなる株価の大暴落を招く可能性?

日本銀行とは?

そもそも日本銀行とは、「日本銀行法により定められた日本唯一の中央銀行」です。

その役割は

①銀行券(硬貨や紙幣)の発行

②通貨および金融の調節=物価の安定を確保

③金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保

となっています。

そして、現在、日銀は②の中でも為替と株式市場の安定という目的を達成するために、株式市場へ資金を供給しています。

その手段として取られているのが、上場投資信託ETF)や国債等の購入です。

 

日本銀行の財務内容はどうなっている?

コロナショックで日経平均株価が大暴落する中、株価の安定を図るために、日銀は緊急の金融政策決定会合を開催し、追加の緩和策として、「ETFの買い入れの倍増」を打ち出しました。(2020年3月16日)。

その詳細は、現在行なっている「ETFを年間6兆円増加するペースで買い入れる方針」から「年間約12兆円増加するペースを上限に積極的に買い入れる方針」としています。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大により、急落が続く日経平均株価へのテコ入れとしては、ETFの買い入れが、日銀が現在、唯一できる金融緩和策だったのではないかと私は思います(詳しくは、日銀はコロナウイルスに打つ手なし?不況時の経済対策の利下げとは何か? を参照ください。)。

ただし、これは公的資金による株価の買い支えですので、日銀が膨大な負担を負うことになります。

 

なぜ日銀はETFを買い入れるのか

日銀がETFの買い入れを始めたのは2010年からです。

では、なぜ日銀はETFの買い入れをしているのかというと、最終的には、物価を上げることを目的としています。

市中に出回る資金の量が増えることにより企業の投資が促されたり、株価を買い支えすることにより株価が上がり、一般投資家が儲かることで消費が増加するため、物価が上がります。

つまり、企業には設備投資を促すとともに、個人の株式投資も活発化させようとしたのです。

 

ETFは日銀の財務内容を毀損するリスクが高い

日銀は、物価の2.0%上昇という目標を目指し、2013年4月より「異次元緩和」とも言われる、過去に例を見ない金融緩和策「量的・質的緩和」により、ETF買い入れ額を増加させていきます。

2010年の年間買い入れ額が4500億円だったのに対し、2013年には年間1兆円、2014年には年間3兆円、さらに、2016年には年間6兆円まで買い入れ額は増加しました。

そしてとうとう、2020年には買い入れ額はとうとう12兆円となってしまったのです。

結果として、2020年3月10日時点のETF残高は29兆969億円にのぼるまで増加しています(日本銀行、営業毎旬報告より)。

また、ETF投資信託なので、日経平均株価が下がれば当然時価が下がります。

そうなれば、日銀は大きな含み損を抱えることになり、日銀のバランスシートは悪化し、財務内容が毀損することになります。

 

ETFだけでなく国債にも財務の毀損リスクがある

その一方、「黒田バズーカ」とも言われた国債の購入により、日銀の国債年間増加額は約80兆円に増加しました。

ちなみに、上記の営業毎旬報告によると、保有する国債残高は494兆9109億円となっており、ETFに比べて17倍も保有残高が大きいことがわかります。

国債も価格は変動するため、日銀の取得価格から時価が下落すれば、財務内容の健全性が損なわれます。

では、どのような時にそのリスクが顕在化するかというと、日銀が現在導入しているマイナス金利政策を終了し、日銀が保有する大量の国債を売却しようとすれば、国債は供給過多になり、国債の価額は急落するでしょう。

逆に言えば、日銀が国債の購入ペースを変えずに、償還まで保有し続ければ、損害は発生しないので、売るに売れない状況にあるわけです。

また、上記のような背景もあり、景気が上向きだった現在に至っても、日銀はマイナス金利政策から脱却できませんでした。

その結果、今回のような金融危機クラスの株価大暴落時にも、アメリカやヨーロッパで最大の金融緩和策である「利下げ」が相次ぐ中、すでに政策金利を深掘り仕切っている日銀は「利下げ」という切り札を切ることができないのです。

 

すでに損益分岐点は下回っている可能性が高い

日銀がETFを購入し始めた2010年の日経平均株価は約10,000円程度を推移していました。

しかし、世界的な株価の上昇により、日経平均は20,000円を超える水準がここしばらくは続いていました。

その間、日銀は1日に350億円という巨額のETFを購入して、株価の買い支えを続けてきましたので、その平均取得価額は相当高値となっていることが想定されます。

実際に2020年3月10日には、日銀の黒田総裁が参議院で日銀の保有するETFについて、「1万9500円がETF損益分岐点になっている」旨の発言をしました。

これを基に現在の日銀の含み損を計算すると、日経平均株価が3月17日終値である1万6500円として、ETF残高を3月10日時点の保有残高29兆969億円とすると、約4兆4700億円の含み損が発生していることになります。

 

日銀は実質債務超過!さらに経常赤字に転落か

日銀の純資産は2019年9月末(2020年3月期上半期、下記表参照)時点では、4兆1735億円ですので、ETFの含み損が約4兆4700億円ならば、債務超過」となっていてもおかしくない水準です。

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参照: 日本銀行ホームページ

さらに、上記のような含み損が発生しているのであれば、日銀の2019年3月期決算の経常利益は2兆9億円ですので、経常赤字となります。

ちなみに、日銀は赤字になっても債務不履行に陥ることは実質ありません。

支払い手段でかる銀行券を自分で発行することができるからです。

しかし、日銀が赤字決算や債務超過となれば、日経平均株価はさらに暴落し、日銀の含み損が一段と膨らむ可能性があるので、日銀としては、そのような事態だけはどんな手を使ってでも防ぐように動くでしょう。

まとめ

日銀のETF買い入れには多くの問題が内包されていることがわかりました。

黒田総裁の今までの発言を現状の株価と照らし合わせると、もしかしたらすでに債務超過に陥っている可能性もあります。

しかし、日本の株式市場に大量の資金を注入している日銀は、株価のさらなる暴落を防ぐために、絶対にETFを売ることはできません。

個人投資家にとっては、それだけが唯一の救いかもしれませんが、日銀にとっては退路をたたれた形になりますので、いつか大きな問題となり浮かび上がってくると思われます。

 

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コロナウイルスによる大暴落でも積立投資中の人が絶対に売ってはいけない訳

皆さんこんにちは。

相変わらず、日経平均株価を含む世界の主要な株価は乱高下を繰り返しています。

今回は、そんな相場の中で、投資信託や積立NISA等で積立投資中の方がどのように立ち振る舞うべきか考察していきたいと思います。

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積立投資にとってパンデミックによる大暴落はむしろラッキー?ボラティリティは考える必要なし!

そもそも下落相場はなぜ起きている?

2020年3月に入り、世界中の主要株価は非常にボラティリティ(価格変動の度合いを示す言葉)の高い市場が続いています。

特にNYダウは連日1000ドルを超える幅の上昇と下落を繰り返していますし、日経平均株価もNYダウに引っ張られて似たような値動きをしています。

その原因としては、「コロナウイルス感染拡大への不安」ばかりが取り沙汰されていますが、その理由は、そればかりではありません。

例えば日経平均で言えば、コロナウイルスが話題になり始めたのは1月後半でしたが、実際に大きく相場が下がり始めたのは2月下旬からです。

当初は現状のように世界中に広がると考えられていなかったと言えば確かにそうなのですが、それでも中国で感染が爆発的に拡大していたのを鑑みると、コロナウイルスだけを理由にするのは、違和感を感じます。

つまり、コロナ問題はあくまでも1つのきっかけにすぎず、実体経済に比べ高値状態にあった市場が実態の価格に近づいているだけという可能性があります。

 

増税実体経済の後退が実際の原因?

また、実際に昨年秋の消費税引き上げは明らかに消費に悪影響を与えていました。

それを裏付けるように、日本の10月〜12月のGDP増税の影響でマイナス成長となっていましたが、なぜか市場は堅調に推移していました。

そんな不安定な状態であったところにコロナウイルス問題が起こったことで、株価が急激に下がり始めたのではないかという仮定も立てることができます。

 

株式市場は先行きの不透明感を嫌う

株式市場では、先の読めないことに対する不安感が最も悪い影響をもたらす場です。

例を挙げると、今回のウイルスは新型であり、有効な治療法やワクチンが開発されていないため、不安感が増大しています。

しかし、今回の新型コロナウイルスは感染力こそ強いものの、一般的な風邪を引き起こすコロナウイルスと同様に夏になれば収束することが想定されますし、治療法が確立されてしまえば、一般的な風邪と変わらない程度の、脅威が低い病気になるのではないかとも思います。

しかし、株式市場では今回のコロナウイルスの問題が単なる健康上の問題としては捉えられていません。

ではどのような問題として捉えられているかというと、コロナウイルスの感染拡大により、世界中の経済活動に支障が生じ、景気が後退していくことに対する懸念や生終息が見えない中でいつまでこの経済活動の停滞が続くのかということに不安を感じています。

 

株価が大暴落しても株は絶対に売ってはいけない

なお、今後の相場の見通しについてはアナリストの間では意見が分かれていますが、私自身は相場を予測するほど知識やデータがあるわけではないので、今後の動きについてはもう全く予想できません。

しかし、過去にも○○ショックという類いの市場の大幅な下落は何度もありました。

1973,1979年のオイルショック、1987年のブラックマンデー、1991年のバブル崩壊、そして近年では2008年のリーマン・ショックといった株価が急落する現象は何度も起きています。

そんな時、機関投資家ではないアマチュア個人投資家が考えるべきことはそれほど難しいことではありません。

守るべきルールは「慌てて売ってはいけない」ということ、ただ一つです。

なぜなら、確かにコロナウイルスにより経済は打撃を受けてはいますが、その影響がどの程度になるか全く分からないからです。

また、絶対に保有している株を売った方がよいタイミングというのは、実際にその企業の業績が悪化し始めた時だけです。

それ以外の政治や天変地異、あるいは今回のようなパンデミックの場合、下落の幅が大きくても自分が保有している企業の業績見通しがそれほど変わらないのであれば、慌てて売る必要はありません。

そしてこれは個別の株式投資だけでなく、投資信託の積立投資をやっている人も同様です。

むしろ、積立投資をしている人こそパニック売りをしてはいけないくらいです。

また、積立投資をしている人の中には売らないまでも積み立てをやめてしまう人もいます。

これも同様に「絶対に積み立てをやめること」はやめてはいけません。

その理由を下であげてみます。

 

ドル=コスト平均法(定額購入法)のメリットがなくなる

積立投資は基本、毎月一定金額で購入する仕組みですので、ドル=コスト平均法で購入しています。

ドル・コスト平均法とは、株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つで定額購入法ともいいます。

金融商品を購入する際に、一度に購入せず、資金を分割して均等額を定期的に継続して投資するため、個人の感情が入り込む余地がなく、高いときは少ししか買わず、安い時にはたくさん買うということが自動的にできます。

これはドル=コスト平均法の大きなメリットですので、むしろ株価が下がった時に積み立てをやめてしまうというのは、安いところで買う機会を放棄してしまうことになり、積立投資最大のメリットを放棄してしまうことに繋がりかねません。

むしろ、ドル=コスト平均法は株式市場が下げ相場の時にその本領を発揮する投資方法です。

なぜなら、株式市場が上げ相場のときは、毎月定額の投資を行うと、平均取得単価が上がってしまい、売却時に利益が得づらくなるからです。

むしろ、株価が暴落して投資信託の基準価額が大きく下がっても、低い価格の時にたくさんの口数を買い付けることができれば、反転して上昇した時には、大幅に値上がりしなくても収益を上げることができます。

暴落前の水準まで戻る頃には、元本を上回る収益を得ることができる可能性すらあります。

 

相場の悪い時の対応こそが結果を大きく左右する

積立投資の最大のメリットは、毎月定額で購入することで長期間にわたって市場に居続けられることです。

そして経済が成長を続けている間は、その恩恵を享受する最も良い手段ともいえます。

それを放棄するのは非常にもったいないので、株価が大暴落したからと言ってパニックになってはいけません。

むしろ冷静に「これは利益を上げるチャンスなのだと」分析するようにしましょう。

 

まとめ

個別の株式投資でも積立投資でもパニックになり、所有する株式を売却してしまうのは、絶対にしてはいけません。

特に積立投資では、そのメリットのほとんどを自ら手放してしまっているようなものです。

今回のコロナショックでも同様に冷静に株式市場を見て、ピンチをチャンスに変えるような投資ができるように心がけましょう。

 

 

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不動産投資向けの審査が甘いアパートローンは?賃貸住宅ローンとの違いは?

皆さんこんにちは。

2018年に発覚したスルガ銀行のシェアハウス向け不正融資問題で注目を浴びた不動産投資は、金融庁の指導もあり、一時期は融資が控えられる場面も見られました。

しかし、最近は貸出先に困る金融機関が、不動産投資向けの融資に再度力を入れはじめています。

今回は、今後審査が緩くなる可能性があるアパートローン(不動産投資向けローン)について解説していきます。

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アパートローンの審査を通すのは簡単?融資を受けやすい事業計画の策定方法を解説!

事業計画さえ堅実に作成すれば審査は通る!

アパートローンの審査において、銀行がチェックしているのは、ただ一点のみ「堅実な事業計画を立てた上で、利益を出すことができているか?」です。

つまり、事業計画で高評価を得ることができれば、審査は簡単通りますし、より良い融資条件でアパートローンの融資を受けることができるということです。

では、高評価を得ることが出来る事業計画とはどのようなものか解説します。

 

アパートローンの審査条件とは?

事業計画を審査する際に確認される点には、以下のようなものが挙げられます。

・収支計画(キャッシュフロー)の妥当性
・空室率の妥当性
・長期修繕積立金の有無

・返済計画の妥当性

・賃貸住宅以外の収支、債務者の資産状況

審査の条件は金融機関によって異なりますが、事業計画の妥当性や借入を希望する人の収入・資産状況は必ず確認されますので、審査前には前準備が必要となります。

 

収支計画の作成方法は?

収支計画は賃貸住宅を建設する建設会社が作成してくれますが、建設会社の収支計画は甘めに作成されていることが多く、信用できません。

ですので、ある程度は下記のような事項を自分で調べて補正する必要があります。

賃貸物件の収益性ついては、

・物件周辺の賃貸住宅ニーズ

アパートを建てたら入居する人はどのくらい見込めるか?

そもそも近くにアパートがあるか?

・家賃相場や入居状況

近隣のアパートの家賃はいくらくらいか?

近隣のアパートはどのくらい部屋が埋まっているか 

等をネットの情報や不動産会社に確認する等して、調べましょう。

上記のようなことを調べた上で、「自分でシミュレーションを作成するのが難しいよ」という方はシミュレーション作成の条件を建設会社に伝えて、事業計画を作ってもらうのが最も簡単かと思います。

 

収支計画のポイント

収支計画(キャッシュフロー)の妥当性

近隣の家賃相場を調べれば、自分のアパートの家賃もある程度は決まりますので、毎月の賃料収入がわかります。

また、賃料収入から必要経費を差し引いたアパートローンの返済原資が捻出できるかどうかが問われることになります。

当然、売上(収入)から経費を引いた結果が黒字になり、減価償却費※と合計した額で、毎月の借入返済が賄えるのであれば、審査は通る可能性が高くなります。

減価償却費は経費なので利益からは引かれますが、実際にキャッシュアウトしているわけではないので、返済原資とされます。

しかし、逆に赤字になったり、黒字でも減価償却費との合算額が毎月の返済額に及ばないのであれば、返済の可能性が低いとみなされ、融資を受けることはできませんので、シミュレーションを見直す必要があります。

ちなみに、アパートローンにおける主な経費は、「減価償却費」「固定資産税や事業税等の租税公課」「借入金利子※」「修繕費」「損害保険料」等があります。

銀行の審査では、収支計画上では上記の主な経費さえ抑えておけば、他の細々とした経費までは突っ込まれませんので、あまり気にしなくても良いでしょう。

※変動金利の場合は、実際のアパートローンの融資金利は1.0%〜2.0%が相場となりますが、長期間の融資となるため、金利上昇の可能性を鑑みて 5.0%程度でも利益が出るか確認していると銀行は喜びます。

 

空室率設定の妥当性

アパートは仮住まいなので、必ず人の出入りがあります。単身者は比較的短く、ファミリー層だと比較的長く住む傾向があります。

また、退去者が出ると次の入居者が決まるまでにタイムラグが発生します。

ですので、数十年に及ぶアパート経営では、すべての部屋が満室となることはありえません。
空室のリスクを見極め、収益シミュレーションに織り込むことが必要です。

銀行の審査でどの程度、空室率としてストレスをかけるかというと、 10年後の空室率が10%程度としてシミュレーションしていれば、妥当とみなされる可能性が高いです。

同様に20年後には20%/の空室率、30年後には30%程度と仮定してシミュレーションするのがベストでしょう。

 

長期修繕積立金の有無

アパートへの投資は、20〜30年に及ぶ長期的な投資ですので、当然、その途中には大規模な修繕を行うことになります。

例えば、入居率が下がったのでリフォームして内外装を綺麗にする、老朽化した部分の修理等が挙げられます。

ですので、事業計画上では、 10年に1度500〜1,000万円程度の修繕を行うと見込んで、毎年50〜100万円程度の修繕積立を行っていると審査が通りやすくなります。

 

返済計画の妥当性

アパートローンは数十年にわたる長期の投資です。

では、どのようにして借入期間が決まるのかというと、建物の造りにより異なる「法定耐用年数」により、借入可能期間が決まっており、その範囲内で融資が行われます。

法定耐用年数とは、減価償却資産(建物や機械等)に関して何をどのような期間で償却していくかを国が定めたものです。
ちなみに、不動産の場合は減価償却の対象となるのは建物部分だけで土地は対象ではありません。

耐用年数は以下の表の通りです。

【表】耐用年数表

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一般的にはアパートの造りは、木造が軽量鉄骨となりますので、ローンの借入期間は最長でも19年〜27年間となります。

ですので、この期間内に完済できるような返済計画を立てることで審査が通りやすくなるのです。

また、減価償却についても取得価格(建設にかかった費用)を耐用年数で除すことでおおよその年間の減価償却費を算出できます。

正確には下の表に記載された減価償却率を使うのですが、おおよその数値を算出するなら上記の方法でも可能です。

一つ計算を例示します。

【表2】減価償却資産の減価償却

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出典: 国税庁HP(減価償却資産の減価償却率)

【例】

取得価格2億7千万円の軽量鉄骨(厚さ5mm)の年間減価償却費の計算

【簡易計算版】

270,000,000円÷27年=10,000,000円

【定額法による正確な計算】

270,000,000円×0.038=10,260,000円

多少のズレはありますが、似たような金額になりますね。

簡単に試算したい時にはご活用ください。

 

賃貸住宅以外の収支、債務者の資産状況

サラリーマンや年金暮らしの方は、投資用物件以外でどの程度の収入があるかを確認する必要があります。

なぜかというと、投資用物件以外で収入がなければ、その物件の収益から債務者の生活費を差し引かなければならないからです。

一般的な金融機関であれば、1人あたりの年間の生活費を120万円として計算することが多いと思いますので、120万円超の収入があれば問題ありません。

また、借入人(債務者)の貯金等の資産についても銀行は確認したがります。

直接的なアパートローンの事業計画に関係があるわけではないのですが、資産がある方のほうが審査に通りやすくなります。

これは、単純に返済してもらえる可能性が高いからという理由だけです。

 

まとめ

アパートローンの審査を通す方法は、いかに上手く事業計画を作成するかに限られます。

事業計画のシミュレーションを作成するときは、建設会社に任せきりにせず、自分である程度は調べて、建設会社に条件を伝え、共同で作成するようにしましょう。

 

 

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ソーラーシェアリングの事業スキームとは?農業委員会の現地調査対策もご紹介!

皆さんこんにちは。

過去の記事でソーラーシェアリングの基本やメリット・デメリット、農作物の選定方法等について解説してきました。

今回は、ソーラーシェアリングの事業化までの進め方や事業スキーム、そして、最大の課題である農業委員会の実査についてより実践的な内容を解説していきます。

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ソーラーシェアリングで成功する事業の進め方!農地転用期間中の管理方法はどうすればいい?

ソーラーシェアリング事業化のスキーム

①計画地の選定

②営農者の決定

③作物の決定・営農計画の策定

④設備の設計・資材の選定

⑤事業計画の認定・電力会社への申請

農地法関連許認可の取得※

⑦施工

⑧売電・営農開始

⑨保守・点検、定期報告

⑩3〜10年毎の農地転用再申請

上記手順は太陽光発電の発電事業者と営農者と地権者が別の場合を仮定していますので、もともと自己所有の土地で農業を営んでいる方が、ソーラーシェアリングを導入したい場合は、①、②は飛ばして③から開始してください。

※許認可の申請は、各市町村の農業委員会で行います。どの市町村でも概ね同様の申請手続きとなりますが、必要書類が異なる可能性があるため、申請前に電話等で連絡するようにしましょう。

 

権利関係が複雑になる事業スキームは?

発電事業者と営農者と地権者が異なる場合は、契約等により発生する権利関係が複雑となりますので、注意が必要です。

下記に示した5パターンが、事業を行う上で考えられうるパターンです。

①地権者=発電事業者=営農者

②地権者=発電事業者≠営農者

③地権者=営農者=発電事業者

④地権者≠営農者=発電事業者

⑤地権者≠営農者≠発電事業者

地権者と営農者が異なるパターン(④⑤)は滅多にあるとは思えませんが、一応記載しました。

どのような場合に想定されるかというと、④は、土地のみを地権者から借りて、発電と営農を行う場合であり、⑤は、地権者から営農者が土地を借り、発電事業者は営農者から発電設備の支柱部分のみの土地を又借りする場合です。

ですが、ソーラーシェアリングで利益を出すのであれば、遊休農地や耕作放棄地で賃料を払わず事業を行うのがベストですし、土地を借りる場合は権利関係が複雑になることで、様々な申請手続きが煩雑化してしまいます。

ですので、収益性を高め、事務の煩雑化を防ぐためには、農地を所有する農家が営農と発電を行う①のパターンで事業を行うのが基本となります。

 

地権者と営農者が違うとソーラーシェアリングの権利関係はなぜ複雑になるのか

上記の④⑤のように地権者と営農者、発電事業者が異なると、様々な契約を結ばなければならないため、手続きが多くなります。

【図1】ソーラーシェアリングの権利関係

f:id:tapisuke:20200318220256j:image

上図はソーラーシェアリングで発生する権利と契約をわかりやすくしたものです。

具体的には、下記のような権利と契約があります。

①区分地上権設定契約

農地上空を利用して、太陽光発電設備を設置し、売電を行う権利のことをいいます。

この権利は、賃借権登記が可能なため、抵当権を設定することができるため、土地所有者と発電事業者が異なる場合に、金融機関から重宝されます。

②支柱部分賃貸借契約

発電設備を設置するための支柱部分を利用するための権利です。

ソーラーシェアリングを行う際は支柱が接地している部分のみを農地転用しますが、土地の分筆を行うわけではないため、このような権利が発生します。

③耕作権賃貸借契約

(太陽光発電設備の下で)工作を行うための権利です。

④耕作委託契約

発電事業者が自ら耕作を継続できない場合に、第三者へ耕作を依頼する契約です。

ざっと見ても上記のような契約を結ぶ必要がありますので、地権者と発電事業者が異なる場合には注意が必要ですね。

 

農業委員会の実査(実地調査)を乗り越える方法

上記で事業スキームのパターンについて解説しましたが、最も多いパターンは地権者=営農者=発電事業者のパターンだと思います。

その場合、営農経験の浅い方もいると思いますので、ソーラーシェアリングの場合の農地転用についても解説していきます。

基本的には農地転用が認められるのは3年間となります。

そして、農地転用期間中は毎年、生産量がソーラーシェアリング開始前の8割以下となっていないかどうかの報告書を作成し、農業委員会に営農状況を報告しなければなりません。

正直な話、書面での報告に関しては、報告者の裁量で記載内容を調整することができるので、農業委員会から問題視されることはなく、特段何も懸念することはありません(農業委員会の担当者は「報告が適当な人が多すぎる」と困っていましたが…。)。

大袈裟にいえば、ソーラーシェアリングしていない場所で育てた農産物を、ソーラーシェアリングによって育てた農産物として報告することも可能なのです。

しかし、3年目に農地転用の再申請を行う際に行われる「農業委員会による実地調査」は生育状況の確認を農業委員会の担当者が実際に見て確認するため、言い逃れをすることができなくなります。

ですので、3年目には確実に収穫できるように、3年間で技術やノウハウを蓄積し、栽培に成功しなければなりません。

技術やノウハウは下記の記事でも書いた通り、JA(農協)から教わるのが最も効率的でしょう。

 

果樹や榊等の単年で収穫できない農産物はどう報告する?

また、果樹等の単年で収穫ができない農作物については、米や野菜等の単年で収穫ができる農作物と報告内容が異なります。

その方法とは、果樹の栽培管理(整枝・剪定、施肥、摘果等)が適切に行われているか、生育段階が通常と異なっていないかなどを、「知見を有する者」に確認してもらい、その意見書を報告書に添付する方法です。

これも、営農の知見を有するものとして、JAの「営農アドバイザー」に確認してもらうのがベストでしょう。

 

まとめ

ソーラーシェアリングを行う上で最大の課題は、「ソーラーシェアリングによる売電契約期間(20年間)に農地転用を継続し続けることができるか」です。

農地転用の継続ができなければ、残りの期間は事業を行うことができませんので、借金だけが残る結果となりかねません。

それを防ぐためにも、農作物の選定方法や生育方法等のノウハウを教えてもらい、農作物の育成に成功しなければなりません。

もしくは、手間がかからず、当面の間収穫を行わなくても良い果樹等を中心に生育をしてみるのも良いかもしれません。

 

 

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リーマンショックの再来となるのはジャンク債(ハイイールド債)?

皆さんこんにちは。

先日下の記事でCLO(担保付ローン証券)がリーマンショックを超える金融危機を引き起こす可能性について考察しました。

しかし、CLO以外にも金融危機を引き起こす可能性のある金融商品があります。

今回は、CLOと同様、金融危機を引き起こしかねない(と私の考えてる)「ジャンク債(ジャンクボンド・ハイイールド債とも言います。以下、ジャンクボンド・ハイイールド債も含みます。)」について考察していきたいと思います。

 

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CLO以外にもジャンクボンドがバブル崩壊金融危機の引き金となる可能性がある

ジャンク債(ハイイールド債)とは

ジャンク債(ハイイールド債)とは、格付けが低くデフォルト(債務不履行)の可能性が比較的高い代わりに、利回りの高い、ハイリスクハイリターンの債券のことをいいます。

「ジャンク」とはガラクタや紙くずという意味ですので、あまり良い響きではありませんね。

実際にその響きの通り、ジャンク債は格付け機関が行う格付で、S&PならBB以下、ムーディーズならBa以下に格付けされた低格付け債券となります。

格付けが低いということは、信用力が低いということですので、元本割れのリスクは当然高まります。

 

ジャンク債市場はバブルとなっている?

1980年代に「ジャンク債の帝王」と呼ばれたマイケル・ミルケン氏は、ジャンク債のことを「繁栄の方程式」と称賛しました。

実際、ジャンク債のデフォルト率は、リーマンショック直後には10%を超えていましたが、ここ数年は2〜5%と低いデフォルト率が続いており、利回りも高いことから、一見魅力的な金融商品に見えます。

そして、その魅力に惹かれたのが低金利環境で資金の運用に苦しんでいた世界中の投資家たちです。

その投資家たちは、高リスクでも利回りの高いジャンク債を積極的に購入したため、ジャンク債市場の規模はあっという間に拡大し、2019年3月には2.5兆ドルまで急膨張しました。

結果として、現在のジャンク債市場は、バブルの様相を呈しています(足元ではコロナウイルスによる不安感により一時的に減少していますが)。

 

なぜジャンク債がリーマンショックの再来となるのか?

ジャンク債は信用力の低い債権ですので、リセッション(景気後退)がはじまると、すぐに信用不安が高まります。

もともと、信用力の低い企業は景気が後退すれば業績が悪化しやすいことから、実際に景気が悪化すれば、投資家はポートフォリオで最もリスクの高いジャンク債を最初に売却しようとします。

しかし、全投資家が同じように考えますので、売りが売りを呼ぶパニック売り状態となり、バブルは崩壊するでしょう。

そうなれば、混乱はジャンク債市場だけでなく、世界各国の株式市場を直撃することとなり、結果として主要株式市場の株価の大暴落、さらには金融危機に繋がる可能性があります。

 

ジャンクショックが起きれば日本もただでは済まない

ジャンク債が主に販売されているのはアメリカですが、日本企業への影響はアメリカの企業よりも大きくなる可能性があります。

何故なら、マイナス金利政策が導入された結果、世界的にみても低金利環境となってしまった日本では、融資や債券の利回りの低下により、資金運用に困っている金融機関が多数存在しているからです。

特に農林中金やゆうちょ銀行、メガバンクは、世界的にみてもトップクラスとなる量のジャンク債を保有しています。

ですので、CLOと同様に、アメリカ初の金融危機だとしても、最も影響を受けるのは日本の金融機関と言っても過言ではないのです。

 

また、農林中金メガバンクに追随して、地方銀行もハイリスクな金融商品に手を出しています。

以前にも米債への投資で失敗した日本の複数の地方銀行が、資金を国内に戻すために円を買ったため急激な円高となったことがありました。

もし仮に、ジャンク債のバブル崩壊とまではいかなくても、ある程度相場が下がるような事態が起これば、同様の事態が起こる可能性も否めません。

 

まとめ

CLOと同様、ジャンク債もバブル状態にあり、崩壊すれば金融危機を引き起こす可能性があります。

また、CLOとジャンク債は商品性が似ていることから、バブルの崩壊が同時に起こる可能性もあります。

そうなれば、日本の金融機関はもちろんのこと、世界中の経済に大打撃が出ることは間違いありません。

今後、さらにCLOやジャンク債の市場が拡大するのであれば、バブル崩壊の可能性も高まっていきますので、注視する必要がありますね。

 

 

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※本記事は私見ですので、投資は自己責任でお願いいたします。

CLOショックはリーマンショックの再来か?銀行(金融機関)はどうなる?

皆さんこんにちは。

世界各国でバブルが崩壊したかのような株価の乱高下が起きていますが、今後のアメリカでは、実際にバブルの崩壊が起こる可能性があります。

最近は銀行についての記事を書けていなかったので、今回はアメリカのとあるバブルが弾けた場合、金融機関がどうなってしまうのか考察していきたいと思います。

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リーマンショックの再来でアメリカのバブルが崩壊?

CLO(担保付ローン証券)を原因とした第二のリーマンショックが起きる可能性がある?

CLOとは、Collateralized Loan Obligationの略称で資産担保証券(ABS)の一種です。

和訳はローン担保証券といいます。

これだけ聞いても意味は全くわからないと思いますので、もう少し噛み砕いて解説すると、

「金融機関が企業等に対して貸し出している貸付債権(ローン)の元利金を担保(裏付け資産)として発行される証券のこと」をいいます。

 

現在のCLOバブルはリーマンショック直前の状況にに酷似している

リーマンショックの直前には「サブプライム(信用度が劣る)ローン」という所得が低い人たち向けの住宅ローンを集めて1つにまとめた金融商品アメリカで多くつくられました。

当時のアメリカは住宅バブルだったので、この金融商品は量産されて世界中の銀行や証券会社、投資家が次々に購入していました。

しかし、サブプライムローンは結局のところ、返済能力の低い人たちに向けたローンのため、次第に延滞が増加していきます。

そして、過剰な住宅の建設により、住宅供給も飽和状態に達し、買い手がつかない家が増加しました。

また、頼みの綱の地価や不動産価格も暴落し、たくさんのローン利用者が家を手離さざるを得ない状況になります。

ローンが返済不可能になると債券は不良債権化し、ただの紙切れとなります。

結果として、各地でサブプライム問題が一気に表面化するとともに、世界経済に大打撃を与えてしまったのです。

 

CLOは、上記のサブプライムローンが企業向けの融資に変わっただけであり、証券化商品で商売する金融機関と、それを買う機関投資家が、共に他人のカネを扱っていて当事者個人は無責任でいられる点は全く同様です。

ですので、アメリカの景気が後退し、企業の業績が悪化すれば、返済が滞り、リーマンショックのような、株価の大暴落が起きる可能性があるのです。

 

CLOがバブル化する仕組みとは

日本の銀行は世界的に見ても、代表的なCLOな買い手となっています。

その理由は、マイナス金利政策による国内債券市場の価格低迷や米国債券市場の価格低迷等を受け、利回りの高い債券型商品を組み込んだポートフォリオへ移行していたからです。

特に投資残高が多いのは、農林中央金庫やゆうちょ銀行等の普通銀行以外の金融機関です(まさに自分の勤め先なので勘弁して欲しいのですが…。なお、私は資金の運用部署ではないので内部事情は全く知りません。)。

ですので、バブルが崩壊すると、最も影響を受けるのは日本となることから、金融庁も危機感を持って検査に臨んでいます。

参考: 金融庁が3メガ銀や農林中金など一斉調査、CLO投資で

 

そのスキームを解説すると、以下の通りとなります。

(1) 米企業が社債を発行し、金融機関が買い取る(または、金融機関が企業は融資を行う)
(2) 低信用度の社債や債権を金融機関がCLOに編成して販売する
(3) CLOを低金利で資金の運用難となっている機関投資家(日本の金融機関等)が買う
(4)社債の発行等により資金を調達した企業は自己株買いを行い、株価を上げて株主に報いる
(5) ストックオプションを持っている企業の経営者も儲かる

上記のスキームは、企業の経営者、金融機関、機関投資家の3者が儲かるので歯止めがかかりにくいため、強固なバブル形成プロセスといえます。

 

FRBによる利下げがさらなるCLOの膨張を助ける可能性がある

アメリカではトランプ大統領からの要請もあり、FRB(連邦準備理事会)が利下げに動いています。

また、今後もさらなる利下げが行われることが見込まれています(2020年3月15日にFRBは1.0%の緊急利下げを行いました。)。

利下げが行われると借入金利が低くなりますので、投資や消費が伸び、景気は良くなります。

しかし、利下げにより、企業の借金がさらに膨らめば、結果として、 CLOのリスクをさらに高める可能性があります。

これは単純に、金融機関が中小企業向けの社債発行や貸出を増加させることにより、CLOの販売が増加するからです。

CLOの販売がさらに加速すれば、リーマンショックを超える金融危機となる可能性もあり、大変危険な状況といえます。

私個人としても、過剰な利下げは行うべきではないと思っています。

 

まとめ

ただでさえ、現在の世界各国の経済はコロナウイルスによる大打撃を受けています。

今後、その影響を受けて、経済が後退することにより企業の業績が悪化すれば、融資の返済が滞り、リーマンショックと同様、「CLOショック」が起こりかねません。

その場合は、リーマンショックを超える大規模な金融危機となる可能性もあります。

金融機関レベルで危機感を持って対処にあたって欲しいところです。

 

 

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東京オリンピックの延期で消費税が下がる?日本経済には大打撃か?

皆さんこんにちは。

アメリカのトランプ大統領は2020年3月12日に無観客試合となるのであれば、東京オリンピックは延期すべき」との考えを表明しました。

トランプ大統領「東京五輪は1年間延期したほうがよい」

出展:NHK NEWS WEB

トランプ大統領安倍総理に対しては「延期すべきとは伝えない」としながらも、これまでの日本政府の判断を尊重するとしていた立場から、スタンスの変更があったことは間違いありません。

また、日本国内でも、政府関係者やオリンピック関係者から、「5月の連休前までに感染拡大が収まらなければ、延期か中止とすべきである」との意見も挙がり始めています。

今回は、東京オリンピックが延期になった場合の日本経済に与える影響を考察していきます。

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東京オリンピックは中止と延期のどちらとなるのか?経済への影響も解説!

東京オリンピックを中止した場合の経済的損失は計り知れない

下の過去の記事でコロナウイルスは日本の生活環境を変えるレベルの災害となる可能性があることを考察しました。

その中で、今後の日本経済がどうなるかも考察しましたので、ご参照ください。

今までの日本経済は東京オリンピックの開催を織り込んで成長を続けてきました。

また、2020年7〜9月期のGDP(国内総生産)伸び率も東京オリンピック開催を織り込んで計算されています。

ですので、中止が現実のものとなれば、期間中に見込んだインバウンド需要や国内の関連消費はなくなりますし、仮に強行して開催したとしても観光客が来ない可能性は十分あり得ます。

そして、中止になった場合は日本国民の消費マインドも低下し、国内の消費も落ち込む可能性も考えられます。

そうなるとリセッション(景気後退)となるのは間違いありません。

 

東京オリンピック延期なら経済へのダメージは一時的か?

上記では東京オリンピックが中止された場合についての考察でしたが、スポンサー料やこれまでのインフラ整備を考えると、現実的には延期となんと考えて良いでしょう。

もし、延期となったと仮定すると、問題になってくるのは、選手村の跡地利用が遅れることや開催予定となっている会場を使用できなくなることです。

すでに跡地利用の方法やオリンピック競技が開催される会場で行われる予定のイベント等がありますので、その予定が狂うことによる被害は相当額になると思われます。

 

消費税が下がる可能性がある?

延期や中止により、国内の消費が落ち込んだ場合に備え、自民党内では「五輪開催が中止か延期となった場合には、半年か1年間に限定した 消費税の5%への引き下げを打ち出すべきだ」との具体案も浮上しているようです。

すでに2019年10月からの消費増税により、2019年10月〜12月期のGDPはマイナス成長となっています。

ですので、期間が限定されるとはいえ、消費税が引き下がれば一時的には消費が回復し、経済が上向く可能性があります。

しかし、それはあくまでも一時的な対策でしかありませんので、引き下げを行っている間に画期的な経済対策を行えなければ、消費税を10%に戻した時に、経済が後退してしまうため、意味がありません。

 

テレワークが一般的な企業にも導入される可能性

新型コロナウイルスがオリンピックを延期させるほど長引いた場合は、一部の企業で、すでに導入されている「テレワーク」という働き方が一般的に普及する可能性があります。

テレワークの普及は、日本の生産性を大幅に引き上げる可能性を秘めています。

それは、通勤時間がなくなることにより、通常の勤務時間より早い午前7時や8時から仕事を行い、15時や16時には仕事を終わらせることができるようになります。

そうなれば、満員電車による通勤で体力を消耗することもなく、新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば、今まで通勤に使っていた時間を趣味や余暇活動に充てることができるため、消費活動も活発になり、結果として日本経済を活性化させることができます。

 

テレワークは中小企業への普及が課題

テレワークを導入するためには、自宅で業務を行うことができるような環境の整備が必須となります。

その環境の整備にはシステムの構築等で多大な投資が必要になります。

ですが、ただでさえ景気がリセッションしそうな状況で、資本力のない中小零細企業には、そのような設備投資を行う余力はありません。

政府には、中小企業がテレワークを導入できるような 環境整備や導入促進のための補助金の交付等を行うよう対策を立てて欲しいですね。

 

まとめ

東京オリンピックが延期や中止となる可能性は日々高まっていくと思われます。

延期や中止になれば、日本経済は大打撃を受けることになりますが、悲観するだけでなく、テレワーク等の前向きな話題にも目を向けていくべきですね。

 

 

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日銀はコロナウイルスに打つ手なし?不況時の経済対策の利下げとは何か?

皆さんこんにちは。

WHOがパンデミックを宣言し、NYダウや日経平均株価等の世界の主要株価は大暴落の一途を辿っています。

2020年3月12日には、NYダウが過去最大の下げ幅を更新する 2352.60ドルの下げを記録する等下落にはさらなる拍車がかかっているようです。

日経平均株価も底が見えませんね…

もはや、今後の各国の経済状況がどうなるかは全く予想ができない展開になってきましたが、間違いなく経済指標や株価は悪化します。

そして、どこがボトム(底)になるかもわかりませんので、今後のコロナウイルスの感染拡大がどこまで続くかは常に気を配っておきたいところです。

今回は、景況感が非常に不安定な現在において、日本銀行(以下、日銀とします)がどのような経済対策を取るのか考察していきたいと思います。

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日銀の経済対策は意味がない?今後の日本経済は必ず景気が悪くなる

日銀が打てるコロナウイルス対策の唯一の手段は「追加緩和」のみ

アメリカやヨーロッパで悪化の一途を辿る経済への対策として利下げが相次ぐ中、日銀も3月18,19日に開く金融政策決定会合で追加の金融緩和策を講じることになります。

しかし、すでに「マイナス金利政策」や「上場投資信託(ETF)の買い入れ」等の過去に例を見ない「異次元緩和」を行っていますので、対応策はかなり限られています。

 

利下げとは何か?

最近ニュース等でよく耳にする方もいらっしゃると思いますが、利下げとは、国内の経済状況を鑑みて、国に一つある中央銀行政策金利の引き下げを行うことです。

利下げが行われると金利が下落し、企業も個人も低金利でお金を借ることができるようになります。

そのため、設備投資や個人消費が盛んになり、景気を回復させる効果があります。

ただし、利下げを続けて政策金利がマイナスになってもその効果が出なくなった場合は、量的緩和(国債ETFの買い入れ等)などの別の対応をとる必要が出てきます。

なお、利下げが行われると、その国の通貨が売られることから日本では円安となります。

 

日銀が検討している制度融資やETF買い入れによる経済対策は効果が限定的

日銀が導入を検討しているとされている経済対策は、新型コロナウイルスにより業績が悪化している中小企業の資金繰りを支援するための制度融資や金融機関への資金供給です。

しかし、この対策は、あくまでも融資であるため、一時凌ぎでしかありません。

ですので、もし新型コロナウイルスによる経済への悪影響が長期化すれば、結局受けた融資への返済が滞ることになり、結果として倒産する企業は激増することはふせげません。

また、上場投資信託(ETF)の購入目標額(年6兆円)を超えて買い入れを行うことも検討されているようですが、パニック売りのような大暴落が起きている状況でどの程度の効果が見込めるかは未知数です。

むしろ、日銀はすでに相当額のETFを買い入れていますので、さらに買い入れを増加することによるバランスシート(日銀の財務状況)への悪影響、緩和政策の出口戦略の困難化等が懸念されるため、慎重に対応を行うべきです。

 

FRBやEBCでも利下げが検討されている?

欧州中央銀行(EBC)は3月12日※、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月17,18日に金融政策を決める会合を開き、追加の金融緩和策を議論するとしています。

※結局利下げは行われず、6億ドル(日本円で6兆円を超える)国債の買い入れを決定しました。

なお、このような世界的な協調緩和政策はリーマンショックの際にも行われました。

その際は、最終的にアメリカやヨーロッパの6つの中央銀行が協調利下げに踏み切りましたが、日銀は参加しなかったため、その後の急激な円高を招きました。

今回も日銀のみが利下げを行わなければ、日米の金利差が縮小して円高が進行することとなり、さらなる株安や輸出に頼る製造業の業績悪化を招きかねません。

 

日本の金融機関は追加緩和(マイナス金利の深掘り)に耐えられない?

上記で解説したように、世界中の中央銀行が利下げに踏み切った場合は、日銀もさらなるマイナス金利の深掘りを迫られる可能性があります。

しかし、現在以上のマイナス金利の拡大は、地銀など金融機関の収益をさらに圧迫するという副作用があります。

すでに規模の小さな地銀や信金は、既存のマイナス金利の長期化により、経営体力を奪われており、これ以上の利下げが行われれば、経営が立ち行かなくなる可能性が高いです。

現に、島根銀行清水銀行等の小規模な地方銀行は生き残りを図り、SBIホールディングスとの業務提携を行っています。

今後、さらに金融機関の経営状況が悪化すれば、マイナス金利政策はむしろ日本経済に悪影響を及ぼす可能性があるため、日銀は難しい対応を迫られることになりそうです。

 

まとめ

今後の世界経済・日本経済がどうなるかは、アナリストにも全く予想ができない展開となってきました。

しかし、共通する意見として、必ず経済の停滞は起こると想定していることは間違いありませんので、来たる不況に備えることしかできそうにありません。

また、日銀や政府の経済対策も、現在の状況においては、たいした効果は見込まれません。

ですので、むしろ大打撃を受けることを見越して、経済を立て直すための対応策を今から練るべきではないかと思います。

 

 

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