アメリカと中国の対立は第三次世界大戦の引き金となるのか?

スポンサーリンク

皆さんこんにちは。

新型コロナウイルスによる不況を原因としてアメリカと中国の対立が激化しています。

今回は、米中関係の現状と今後の展望について考察していきたいと思います。

国際的な経済問題については下記記事もご参照ください。

f:id:tapisuke:20200724141247j:image

米中関係のこじれは東西冷戦の再来となるか?第三次世界大戦の引き金となる可能性も?

米中関係の対立は宿命的?

現在激化している米中関係については、世界中の多くの有識者(イギリスのジャーナリスト・フィナンシャルタイムズの編集長、マーティン・ウルフ氏等)は、歴史的に繰り返されてきた世界No.1国家とNo.2国家の宿命的な対立であると見ています。

最近では、20世紀初頭に台頭してきたドイツと当時のNo.1国家だったイギリスの対立がありましたが、これは現在の米中関係に酷似しています。

もちろん、全てが酷似しているわけではなく、当時のドイツ帝国が軍国主義のもとで軍備優先の重工業化が進み、帝国主義に達したことによる、ドイツ独自の積極的な世界政策がイギリスと衝突したのに対し、現在の中国の台頭は、アメリカの親中派による、長年にわたる中国支援が原因となっている点は異なります。

これは、「関与政策」と呼ばれる「中国も豊かになることで民主主義化が進むはず」と考えたアメリカ親中派の政策でしたが、現在の米中対立を見ると結果としては、失敗に終わったといえます。

逆に、もし中国がアメリカの関与政策が開始した当初の鄧小平路線をそのまま進み、民主化に向かっていれば、日米間でかつて発生した日米貿易摩擦のような経済摩擦は発生しても、今回のようなアメリカが全力で中国と対立する事態にはならなかった可能性もあります。

 

トランプ大統領も反中色を鮮明に

当初、トランプ大統領の対中政策は、中国との貿易交渉で良いディールを行いたいという目的がありました。

トランプ大統領はもともと民主主義や人権といった問題に興味はなく、良いディールを取り付けるには強大な権力を持つ習近平主席は格好の取引相手ということで、実際、新型コロナウイルス禍が起こる前までは習主席のことを褒め称えていました。

ところが、中国が新型コロナウイルスはアメリカが中国に持ち込んだ可能性があると言い出したことにより、トランプ大統領も態度を変えざるを得なくなり、またトランプ大統領の新型コロナウイルス対策がまずかったこともあり、国民の視線を逸らす意味でも反中色を濃くする必要がありました。

 

米中対立の舞台となるのは自由貿易体制

では、今後どのような分野で米中の対立が表面化するかというと、大きな分野ではアメリカが構築してきた世界秩序の一つである GATT(関税および貿易に関する一般協定)やWTO(世界貿易機関)等による自由貿易体制が舞台となると考えられます。

そもそもこの体制は、民主主義を標榜する国が自国の市場を解放することで世界的な繁栄を目指すために導入され、第二次世界大戦後の日本やドイツは、この体制のもと、焼け野原から数十年で経済大国となりましたし、中国もWTOに参加したことにより、日本やドイツを抜き去り、世界第2位の経済規模にまで発展しました。

 

中国の経済成長の原動力である輸出に陰りが出てくる可能性

経済が成長するためには、収入よりも(借金等により)多く支出することが必要不可欠です。

もちろん、国内のみでそれを達成するのは困難ですが、「発展途上国で既存の商品を作って先進国へ輸出する」というアジア型の輸出主導による経済成長は、先進国の消費者にとっては自国産の商品よりも安いものを購入しているため、両国民の所得が同等となるまで続くモデルである上、儲かった企業はさらに設備投資を続けるため、経済成長はさらに後押しされます。

中国経済は上記のようなモデルで経済成長を続けてきましたが、今後も米中対立が続くのであれば、アメリカが今以上に自国の市場を中国に開放することはないでしょう。

さらに、ヨーロッパやオーストラリアでも同様の認識が広まっていけば、中国は経済を引っ張ってきた原動力である「輸出の増加」は減少に転じ、中国経済は大きな打撃を受けることになります。

 

今後は地政学リスクの高まりに注意

貿易戦争が始まった場合は、経済的には貿易黒字の国が有利となるが、意外なことに政治的には防衛赤字の国が有利となります。

なぜなら、仮に貿易黒字国(中国や日本)が貿易赤字国(アメリカ)への輸出を停止しても、他国で代用可能な製品であれば問題ないのに対し、逆に貿易赤字国が貿易黒字国からの輸入を停止すると、別の輸出先を探すのは困難であるため、モノが売れなくなり景気が一気に悪化する可能性があるためです。

しかし、仮に中国の景気が低迷すると、軍事外交面で強行な対応に出る可能性もあり、少し前までは安定していたアジア地域の地政学リスクが急激に高まる可能性があります。

 

まとめ

今後も、米中の対立はどちらかがドラスチックな方向転換を見せない限り継続すると思われます。

中国が目指す世界は、本当に素晴らしい社会となる可能性はありますが、その世界の完成に至るまでには、大きな壁を乗り越える必要がありそうです。

 

クリックしていただけると喜びます!Twitterフォローやブクマもよろしくお願いします!

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました