太陽光発電は投資に不向き?成功の鍵は「ソーラーPPA」!

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皆さんこんにちは。

2月4日に2020年の太陽光発電買取予定価格が発表されました。

今回は、銀行員として様々な太陽光発電(主に産業用)の案件に融資を行ってきた私が、太陽光発電で失敗する原因と太陽光発電で成功する条件について解説します。

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2020年度以降の太陽光発電は屋根貸しではなくソーラーPPAがオススメ!

FIT廃止でも太陽光発電が売電できなくなるわけでは無い

最近、「太陽光発電をしても売電ができなくなるから設置する意味がない」という噂を耳にします。

しかし、それはデマであり、 2020年度も太陽光発電での売電は可能です。

では、なぜそのような噂がたつのかというと、「固定価格買取制度(FIT)が廃止されることが検討されている」とメディアで盛んに報道されたため、買取自体が廃止されると勘違いする方がいたからです。

FIT廃止の概略は下記の記事を参考にしてください。

 

2020年度以降の野立て太陽光発電は成功しない

しかし、 2020年度以降も太陽光発電は今まで通り利益が出るのかというと、そうではありません。

太陽光発電には、住宅用太陽光発電(以下、住宅用)と産業用太陽光発電(以下、産業用)があり、住宅用であれば、発電した電気を自分で使い(自家発電)、余った電力を売電する余剰売電でも「光熱費の節約と売電収入」の合算で利益を出すことができます(詳しくは 2020年以降も住宅用太陽光発電はまだお得!銀行は融資に前向き! 参照)。では、産業用はどうかというと、残念ながら野立ての太陽光発電は成功する確率が低いと想定されます。

なぜかというと、下表のとおり、今までは発電したすべての電力を売電する全量売電が可能だった産業用も、2020年度以降は固定価格買取が余剰売電のみとなることがほぼ決定しているからです。

表【住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電の比較】

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ですので、産業用についても自宅やガレージの屋根に設置する小規模太陽光(10kW以上50kW未満)の場合は、自家消費できるため余剰売電でも利益を出すことができますが、 産業用の主流となっている野立て太陽光発電に関しては、自家消費できるような施設が近くになければ、今後は投資目的の導入は厳しくなってくるでしょう。

 

今後の太陽光発電事業は屋根貸しではなく「ソーラーPPA」

今後、野立ての太陽光発電への投資が縮小することが想定される一方、注目を集める可能性があるのが、 「ソーラーPPA」です。

ソーラーPPAとは、FIT制度が無いアメリカで太陽光発電を普及させたモデルです。日本語に翻訳すると『第三者保有型太陽光発電電力販売事業』と訳されます。

表2【ソーラーPPAの仕組み】

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そのモデルは、上記表2のとおり、事業者が銀行から資金調達を行い、電力消費者の施設(住宅、工場等)へ太陽光発電設備を設置し、その設備が発電中の電力のうち電力消費者が自家消費した電力分を事業者が電力消費者へ販売する形となるため、電力購入契約(Power Purchase Agreement:PPA)と呼ばれます。
基本的な契約内容は、「出力は50kW未満、期間は10年間」であり、売電方式は「余剰売電」のため、 2020年度以降もFITの対象となる可能性があるのです。

FITが導入された2012年当時に、ソーラーPPA事業を開始した企業もありましたが、野立て太陽光発電に比べ、権利関係が複雑だったことから、普及が進まなかった経緯があります。

しかし、今まで野立て太陽光発電に集中していた投資がソーラーPPAへ向かう可能性は十分にあります。

なぜなら、ソーラーPPAは電力消費者と事業者の双方にメリットが生まれるからです。

 

電力消費者のメリット

①初期投資の費用がかからない

初期投資にかかる費用は、全額事業者が負担するため、屋根を貸す側(電力消費者)は ノーリスクで太陽光発電を開始できます。

②メンテナンス費用がかからない

契約期間中のメンテナンス費用も全額事業者が負担します。

③電気料金が安くなる可能性がある

契約期間中は事業者が発電した電気を購入することになりますが、再エネ賦課金等がかからないことから、電気料金は大手電力会社より安くなる可能性が高いです。

④契約満了後、設備が無償譲渡される

契約期間中の太陽光発電設備の所有者は事業者ですが、契約方法によっては、 契約満了後は電力消費者が所有権を無償譲渡してもらえます。

 

事業者のメリット

余剰売電が可能

上記で解説したとおり、余剰売電を行うことにより、FITの恩恵を受けることができます。

上記のようなメリットがお互いに発生するため、ソーラーPPAは今後普及が進む可能性が高いと思われます。

 

ソーラーPPAのデメリットは?

万能に見えるソーラーPPAにもデメリットはあります。

①契約期間が長い

契約期間は10年程度と長期間になることがほとんどです。

②交換や処分ができない

太陽光発電の設備は事業者に所有権がありますので、10年という長期の契約期間の間に撤去したい事由が生じても、勝手に処分することはできず、撤去するのであれば違約金がかかることもあります。

③譲渡後のメンテナンスは電力消費者が負担する

太陽光発電設備の譲渡が行われたあとは、パワコン等のメンテナンスを電力消費者が行う必要があります。

私からすれば、メリットに比べればデメリットの方が少ないと思いますが、導入の際は上記のようなデメリットがあることを念頭に、検討を行いましょう。

 

ソーラーPPAと屋根貸しでは、ソーラーPPAがオススメ

似たような事業で、屋根貸し(ルーフリース)があります。

表3【屋根貸しの仕組み】

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屋根貸しとは上記表3のとおり、事業車が賃料を電力消費者に払い、工場や倉庫の屋根(ルーフ)を借り(リース)、その上で太陽光発電を行う事業のことです。

そのビジネスモデルは似ていますが、屋根貸しの売電方式は全量売電のため、FITの恩恵を受けることができませんから、積極的に事業を進める業者も少ないと思われますので、2020年度以降はソーラーPPAの方がお得と言えるでしょう。

 

まとめ

今後の産業用太陽光発電については、ソーラーPPAが最もおすすめです。

しかし、ソーラーPPAにもデメリットはありますので、事業地でのメリットとデメリットをよく考え、導入の可否を決めるようにしましょう。

2020年度以降に全量買取が続く太陽光発電事業には「ソーラーシェアリング」もありますが、またの機会に解説したいと思います。

 

 

 

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