現役銀行員の銀行業務相談所

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銀行員がおすすめするマイカーローン!金利のお得な選び方は?

こんにちは。

年度末が近づき、新社会人になる方や大学に進学される方は自動車購入を検討されているのではないでしょうか?今回は年度末にかけて需要が高まるマイカーローンについて解説します。

自動車を購入する際にローンを組むのであれば、銀行系の「マイカーローン」と自動車を購入したディーラーから借入する「ディーラーローン」の2パターンが代表的です。

自動車購入を検討中の方に、それぞれのローンの特徴やメリット・デメリット、申込方法から借入までの流れを詳しくまとめていきたいと思います。

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イカーローンは銀行で借りる方がお得!

イカーローンを借りるのであれば、圧倒的に金融機関で借りる方がお得です。

以下で理由を説明していきます。

 

銀行系マイカーローンとディーラーローンを比較する

銀行系マイカーローンは、国内の様々な金融機関が扱っています。身近なところでは、地銀や信用金庫、信用組合JAバンク等が挙げられます。

ディーラーローンは各ディーラーと契約している信販会社(クレジット会社)から融資を受けることになります。ディーラーローンという名称から勘違いされますが、ディーラーと直接契約をするわけではありません。ディーラーと契約しているクレジット会社は、大手メーカー系であれば、メーカー直系のクレジット会社(トヨタファイナンス・ホンダファイナンス等)がありますし、それ以外のディーラーであれば、オリコやセディナ等の民間クレジット会社と契約しています。

 

それぞれの金利について

銀行系マイカーローンの金利は金融機関によって異なりますが、概ね1.5%から3.0%程度の金融機関が大半です。もちろん地域によっても異なりますが、私の勤める中部地区では、1%台後半で実行される案件が多いと感じます(個人的な所感です)。

対するディーラーローンですが、金利が高く5.0%程度のディーラーが多いです。また、ディーラーの担当者の中には、口頭で「金融機関より低い金利ですよ」と提案してくる担当者がいる可能性がありますが、大抵の場合、銀行系マイカーローンの表示金利である「実質金利」ではなく、後述する「アドオン方式」で提案されていること多いです。アドオン方式は実質金利に比べ、利息が割高なので、注意が必要です。

前提条件…借入金額:300万円、期間:3年、金利:1.5%、返済方法:元利金等返済、ボーナス返済なし

下記表1に上記前提条件の返済額シミュレーションを記載しますので、返済額の違いをご確認ください。

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アドオン方式とは?

金利の表示方法の一つなのですが、金融機関が表示している「実質金利」に比べ、同じ金利であれば支払利息が多くなるのが特徴です。逆にいうと、ローンを推進する側からすれば、金利を低く見せることができるということです。下に返済額のシミュレーション表2で実質金利とアドオン方式の比較をしますので、同じ金利でもどのくらい支払利息が割高となるのかご確認ください。

前提条件…借入金額:300万円、期間:3年、金利:1.5%、返済方法:元利金等返済、ボーナス返済なし

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また、景品表示法第5条第3号に基づいている「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」において、「アドオン方式による利息等の表示」は不当表示であることが期待されていますので、明らかにディーラーローンで低い金利を提案された場合は、それが実質金利なのか確認を行いましょう。

 

ディーラーローンは車の所有権が自分ではない

ディーラーローンの場合、車の所有権はディーラーとなります(車検証の所有者欄は購入者にはなりません)。ディーラーの都合に合わせて担保を提供している状態です。金融機関の小口ローンでは担保を取ることはまずあり得ませんから、この時点で銀行系マイカーローンはディーラーローンに比べ、優っています。

所有者が自分でないとどんな不具合が起こるかというと、まず、ディーラーローンの返済途中に車を売却することができません。また、車をカスタマイズしたいと考えている方は、無断で改造するとトラブルになりかねません。

 

審査はどちらが緩い?審査速度は?

上記で、ディーラーローンは自動車の所有権がディーラー側となる(自動車を担保に取られている)旨をお伝えしましたが、担保があれば、当然審査は緩くなり、審査速度も速くなります。というよりは、所有者がディーラーなので、返済が滞れば自動車を売却してローンを回収できるからです。むしろ、審査が通らない方が珍しいでしょう。また、ディーラーローンは最短1時間で審査結果が分かります。「審査申込をして、車を選んでいる間に審査が下りた」なんて話もあるくらいスピーディーです。

一方、金融機関では、速くても「午前中の申込で午後に回答がわかる」程度の速さです。遅ければ数日かかることもあります。ですので、審査の簡単さ、速さはディーラーローンが優位といえます。

 

銀行系マイカーローン審査の流れについて

見積書をもらう

欲しい車をディーラーで見つけたら、まずは見積書をもらいましょう。金融機関の審査では見積書で借入金額を確認する作業を必ず行います。これは、借入金額が世間一般の常識に照らし、妥当なのか確認する作業ですので、個人間で値段を自由に決めることができる「個人間売買」の場合にはマイカーローンを利用できません。

また、最近はネットローンが普及し、仮申込では見積書が無くても適当な金額で申込ができますが、本申込では必ず必要になります。

 

審査期間

上記で、金融機関の審査は即日〜数日と幅があることをご説明しました。私の勤める金融機関にも、「納車が1週間後なので速く融資をしてください!」と焦って駆け込んでくるお客様がいらっしゃいますので、納車の日程から逆算し、余裕を持って申込をするようにしましょう。

 

審査内容

「返済能力があるか」この一点のみに尽きます。もちろん、資金使途を見積書で確認したり、免許証で年齢を確認したりしますが、安定した収入があれば余程のことがない限りは審査は通るはずです。その判断基準は「借入金額=年収」とされています。思ったよりも、緩いイメージではないでしょうか?ただし、この基準は金融機関により異なりますので、一つの目安としてください。

返済能力の他にも、「資金使途…融資したお金が自家用車を買うのに使われるか(事業用の自動車は買えません)」「年齢…高齢すぎないか(70〜80歳を上限にする金融機関が多いです)」等をチェックします。また、金融機関によっては、保護者の同意があれば未成年でも融資を行ってくれますので、下限に関しては気にしなくても良いでしょう。

 

銀行系マイカーローンをさらにお得に借りるには?

ディーラーローンより金融機関でローンを組んだ方がお得なのはお伝えしましたが、金融機関の中でもマイカーローンに力を入れているかどうかにより、金利には大きな違いがあります。実はマイカーローンや教育ローン等の小口ローンの呼ばれる商品は1件の金額が小さく、事務負担が大きいので、金融機関によっては積極的に売り出していない場合もあります。ですので、借入を検討する際には複数の金融機関の金利を調べるのが鉄則です。

 

メインバンクにしたい金融機関で借りるとお得!

また、近年国内の金融機関は、「顧客のメイン化(取り込み)」を図っています。顧客メイン化とは、顧客に一つの金融機関をメインバンクと定めてもらい、預金・借入等の金融商品から保険まで幅広く取り込もうとする作戦です。

保険の加入を金利の引き下げ条件にしている金融機関は無いと思います(優越的地位の濫用になります。)が、大半の金融機関で「住宅ローンを借りていればマイカーローンも金利を下げる」「給料の振込口座を変えてくれれば金利を下げる」等の金利優遇施策を行なっています。

中には、ホームページや店頭のポスター等には記載されていない条件があることもあります。金融機関としては、より高い金利で案件を獲得したいと思っていますから、ローン担当者に「金利を最大どこまで引き下げることができるか」を確認してみましょう。

 

まとめ

ディーラーローンと銀行系マイカーローンを比べると、ディーラーローンは審査の簡易さが優位であり、銀行系マイカーローンは①金利の低さ②所有者が自分であるの2点で優位に立つことがわかりました。

金融機関職員である私からすれば、銀行系マイカーローンがお得であると説明しましたが、どちらの特徴も掴んで、自分に合ったローンを選びましょう。

また、マイカーローンに限りませんが、融資を受ける際は必ず返済シミュレーションを行う必要があります。シミュレーションはどこの金融機関でも提示してくれますので、金利の確認だけでは無く、月々の返済額や総返済額までローン担当者に確認しましょう。