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シェール革命で沸いたアメリカのシェールオイル業界は破綻寸前?

皆さんこんにちは。

以前の記事で、現在の原油価格が暴落している原因と、今後、世界の原油市場がどうなってしまうのかを考察しました。

詳しくは下記記事をご覧ください。

その中で、ロシアとサウジアラビアは、アメリカのシェールオイル関連企業にダメージを与えるまでは、原油価格の暴落を招いた原油の増産を止める可能性は低いと解説していましたが、それが現実味を帯びてきました。

今回は、今後のアメリカのシェールオイル業界がどうなっていくのか、考察したいと思います。

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アメリカのシェールオイル業界は虫の息?破産する企業が続発すれば世界恐慌の可能性も?

シェールオイルとは?

「シェール」(Shale)とは、頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石で、泥が固まってできたものです。

頁岩からなる層をシェール層といい、そこから採掘される天然ガス原油が「シェールガス」や「シェールオイル」と呼ばれます。

シェール層は、北アメリカや中国などに多く、特にアメリカのシェール層は、資源の宝庫だとシェール革命前から言われていました。

しかし、シェール層は地下2,000メートルより深く、掘削には高度な技術と莫大な費用が掛かるため、生産は現実的ではないと言われていました。

そこで、アメリカではシェール層の掘削を行うために技術革新を進め、ついに2006〜2008年には、安定的な生産が行えるようになった結果、世界最大のエネルギー輸入国から資源大国へと変貌を遂げたのです。

これをシェール革命と呼んでいます。

 

シェールオイル業界は苦境に立たされている

冒頭で述べた通り、アメリカのシェールオイル業界は、原油価格の大暴落により、大打撃を受けています。

この原油価格の大暴落は、ロシアとサウジアラビアアメリカから原油シェアを奪う事を目的として引き起こされていますので、アメリカのシェールオイル業界にさらに大きなダメージを与えるまで続く事が想定されています。

また、2020年4月2日には、上場企業であるアメリカの中堅シェールオイル関連業社「ホワイティング・ペトラリアム社」が連邦破産法11条(チャプター11)に基づく会社更生手続きを申請しました。

チャプター11は、日本で言う民事再生法ですので、抜本的な改革が行われれば、企業が再建される可能性もあります。

過去には、アメリカのユナイテッド航空チャプター11が適用され、見事に再生を果たしています。

しかし、今後もロシアやサウジアラビアからアメリカへの圧力が弱まらなければ、チャプター11を申請する企業は増加する事が想定されますし、連邦倒産法第7章(チャプター7)、つまり日本で言う破産法が適用されるようなシェールオイル関連企業が出てくる可能性もあります。

そうなれば、世界最大の産油国となったアメリカのシェールオイル業界は壊滅的な被害を受け、アメリカからの輸入に頼っている国では、オイルショックが起きる懸念もあります。

 

トランプ大統領はロシアとサウジアラビアに原産圧力

日本では認識が薄いと思いますが、アメリカでは、政府による民間への減産指示は、違法だという見方が根強く存在します。

つまり、トランプ政権はアメリカ国内の世論としては減産を認めることはできず、かと言って減産しなければ、ロシアやサウジアラビアからの圧力はますます強まる板挟み状態になっているのです。

そこで、経営支援策として浮上しているのが、アメリカへの輸入において、外国産の原油に課している関税を引き上げる策です。

事実上の脅しともいえる策ですが、特に強硬なロシアがどのような反応をするかは未知数です。

 

アメリカが初めてOPECプラスに参加する可能性

2016年12月に発足したOPECプラスの会合には、アメリカが参加したことはありません。

新型コロナウイルスの感染拡大により、原油の需要が減退している中、世界の3大産油国である方アメリカ、ロシア、サウジアラビアの間でうまく交渉が進めば、原油価格が回復し、アメリカのシェールオイル業界が救われる可能性があります。

逆に、このタイミングで3カ国の亀裂が大きくなれば、世界的な恐慌の引き金になる可能性もあります(詳しくは過去記事: リーマンショックの再来となるのはジャンク債(ハイイールド債)? で解説していますので、ご参照ください。)。

 

まとめ

アメリカとロシア、サウジアラビアの3大産油国の争いはまだ続きそうですが、早期解決がなされなければ、シェールオイル業界は壊滅的な被害を受けることになります。

その結果、オイルショックまたは、世界恐慌クラスの景気後退が起こる可能性もありますので、同国の首脳たちには解決に向けた対策を願うとともに、その動向を注視する必要があります。

 

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